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【コラム】今週のFOMCであり得るシナリオを考える-エラリアン

米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月に利上げサイクルを開始した際、幅広く認知されたこの政策行動が景気回復を頓挫させたり金融市場を過剰に不安定化させることがないよう願っていた。

  金融市場がFOMCの刺激策にどの程度依存しているかを正確に測ることも難しかったろうが、中国の一連の政策のまずさが原油の一段安と相まって市場を動揺させるとは当局者には予想できなかっただろう。

  世界経済を悩ませる「異例の不透明感」を高めたボラティリティと流動性の変動を市場が経験するなかで、今週のFOMCは開かれる。以下に公算の大きそうなシナリオを4つ挙げる。

  • 昨年12月の0.25ポイントの利上げは繰り返されない。金融をさらに引き締めれば、市場のボラティリティをあおるリスクがある。このところの市場の展開を受けて、流動性の状況は既に引き締まった。FOMCは市場の不安定性が経済ファンダメンタルズに悪影響を及ぼすリスクを高める状況は避けたいと思うだろう。
  • FOMCがコースを逆戻りして利下げすることはない。少なくとも今のところ、米国の経済見通しが著しく弱まっているという説得力ある証拠はない。金利を元に戻せば、政策上のパニック行動と受け止められ、手元資金を投資に回したがらない企業を一段とおびえさせると当局者らは心配するだろうし、それは正当な懸念だ。
  • 海外の経済が一段と弱まるリスクと合わせ、FOMCは最近の市場ボラティリティを認知するだろうが、市場との対話においてそこに終始することはないだろう。また、先週 の欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とは異なり、将来の金融緩和に向けて市場の期待を大きく高めることもしないだろう。FOMC当局者らは状況を引き続き注視し、データに基づくことを強調する。そうしたなかで、市場を安心させると同時に政策対応を市場に左右されている印象は与えないように微妙なバランスを取ろうとするだろう。
  • FOMC直後の声明というよりは数週間後に発表される議事録によりはっきり反映されるだろうが、当局者らは政策に対する自らの確信が希望する水準ほど高くないとの自覚をほのめかすだろう。不透明な世界経済および市場見通しに加え、金融政策による経済行動の変わり方を含め、政策措置の影響を正確に把握できるかどうか疑問もある。メンバーそれぞれの見方が比較的一致していた時期を経て、今は再びばらばらになりつつあることが示唆されるだろう。考慮すべき要素がより鮮明かつ広がりを持ってきたことから、コンセンサスの欠如は理解できる。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません。)

原題:What the Fed Will and Won’t Do This Week: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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