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ロボットが増えると金利が下がる、そのこころは-識者が想定する未来

  • 技術の進歩は労働者に痛みもたらす、生産性は向上だが
  • 自動化がインフレ高進を抑制-UBSのウェーバー氏

ロボットが増えると金利が下がる。

  これが、今年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)参加者たちの立てた仮説だ。

  理屈はこうだ。機械が進歩すればするほど、人間は職を失う。職のある人の賃金も低下する。新技術は1990年代のような生産性の急上昇が起こる可能性を高める。これらが組み合わさって世界の物価上昇を抑える。つまり、中央銀行を現在悩ませている低インフレは将来の世界の先触れに過ぎない。

  UBSグループ会長でドイツ連邦銀行前総裁のアクセル・ウェーバー氏は「技術の進歩はインフレが再燃してもその上昇度に歯止めをかける」と述べた。

  このいわゆる第4次産業革命が、失業と賃金下押し圧力を通して労働人口にますます痛みをもたらし、消費を抑えることが懸念される。WEFは自動化進展によって2020年までに15カ国・地域で500万人以上の雇用が失われると試算した。

  イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会 (MPC)委員を務めた経歴を持つ米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は「最初の影響は機械に取って代られる仕事に従事している人の賃金低下だろう。時間とともに調整はするだろうが、当初はデフレ圧力になる」と分析した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)はロボットと人工知能の採用がさまざまな業界で生産性を30%高める可能性があるとみている。

  米クリントン政権の経済顧問を務め現在はカリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスで教えるローラ・タイソン氏は「結果は低インフレ環境だ」と述べた。英中銀のチーフエコノミスト、アンディ・ホールデン氏も「労働と資本の代替性が高まれば、労働者側の交渉力と収入の取り分は後退するだろう。最終的にはインフレ見通しが著しく低下する」と分析した。

  このような環境の中で、中銀当局者らは物価安定を実現する方法を考え直さなければならないとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)世界チーフエコノミスト、ポール・シェアード氏は論じる。「一歩下がってブレインストーミングをする必要がある」と同氏はダボスで語った。

原題:Why Robots Mean Interest Rates Could Go Even Lower In The Future(抜粋)

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