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米債券市場のひび割れ露呈、流動性問題で価格にひずみ

更新日時
  • 指標銘柄の直近発行の債券のプレミアムは2倍近くに上昇
  • 米国債市場でも「不安定な動き」が広がっているとRBCは指摘

今の債券市場には流動性についての心配事が多い。もっと端的に言えば、流動性の欠如に関する心配事だ。

  懸念が非常に広がっているため、世界で最も厚みと流動性のある米国債市場でさえも、発行直後の最も売りやすい債券に買い手が殺到している。バークレイズの集計データによれば、今年に入って、数カ月前に発行された10年債(オフザラン銘柄)に対する直近発行の同年限の債券(オンザラン銘柄)の平均プレミアムは2倍近くとなっている。

  この一因は金融市場の波乱を受けた安全資産需要の高まりで説明できる。比較的古い米国債を保有する新興国の中央銀行が自国経済の下支えで売却していることも、価格差拡大の背景にある。

Bloomberg's GOVY  Rates Trader Function

Bloomberg’s GOVY <GO> U.S. government bond relative-value analysis function

  ただ、こうした問題以上に深刻な懸念は、米債券市場の構造そのものにあり、金融危機の再発防止を意図した規制がその構造を結局壊してしまったのかという点だ。こうした兆候には米財務省も注意を払っており、同省は今月、改善への要望があれば提言するよう呼び掛けた。

  プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)22社の一角、RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティ氏は「債券市場全般に不安定な動きが見られる」と述べ、これは米国債のオフザラン銘柄の混乱も含まれると指摘。規制に対応した銀行によるトレーディング業務からの撤退を背景とした流動性の問題に全て関連すると付け加えた。

  価格を変動させずに大口取引を迅速に行うことが一段と難しくなっているため、債券投資家は最も流動性の高い米国債のリターンを犠牲にしている。ブルームバーグの米国債流動性指数を見ると、過去2年間に状況は大きく悪化している。

Trading Is Getting Harder and Harder

  流動性の問題と、流動性がいかに価格変動を増幅させ得るかは、利回りが急変動した2014年10月15日以来一段と重要視されつつある。ルー米財務長官を含めて米財務省当局者は同日の相場の動きに規制は大きな役割を果たさなかったと述べているものの、この規制の多くが米国債市場で顕在化しているひずみの原因だと懸念されている。

  バークレイズの債券ストラテジスト、アンシュル・プラダン氏(ニューヨーク在勤)は「この背景にあるのは、ディーラーのバランスシートの縮小とリスク回避だ。この両方が流動性の高い証券のプレミアム上昇につながっている」と分析した。

原題:Cracks Exposed in U.S. Bond Market as Liquidity Woes Warp Prices(抜粋)

(6段落以降を追加して更新します.)
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