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細野政調会長:民主は護憲政党ではない、自民党草案は「グロテスク」

  • 緊急事態条項、地方自治条文見直しに議論の余地-細野氏
  • 今夏の参院選で「憲法改正は争点ではない」-細野氏

安倍晋三首相が憲法改正を今夏の参院選で争点化する考えを示しているのに関連して、民主党の細野豪志政策調査会長は、民主党は護憲政党ではないと述べた上で、自民党が野党時代にまとめた憲法改正草案には否定的な考えを示した。

  21日、ブルームバーグのインタビューで語った。細野氏は民主党が憲法調査会で2005年、「環境国家」や「分権国家」を掲げる「憲法提言」をまとめていることを紹介し、「きちっとこういう風に変えていくべきだという方向性を示している。だから護憲政党ではない」と述べた。

  今夏の参院選でも、「憲法改正は争点ではないと思っている」と指摘し、改憲か護憲かの色分けは時代遅れで、「どういう憲法が良いのかという議論の中身だ」と述べた。

  自民党が野党時代にまとめた憲法改正草案については「グロテスクで良くない。人権に対して非常に制限的な規定も多い」と述べ、「改憲は必要だと言っている人の中でも、自民党の憲法草案で良いと思っている人はほとんどいないと思う」と語った。

  安倍首相は10日放送されたNHKの番組「日曜討論」で、自民、公明両党に加えて「おおさか維新の会」など「改憲に前向きな党」と参院で「3分の2を構成していきたい」とも述べ、国会の改憲発議に必要な3分の2の勢力を参院で確保したい考えを表明。22日の施政方針演説でも、憲法改正について「国民から負託を受けた、私たち国会議員は、正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく。その責任を果たしていこうではありませんか」と訴えている。

緊急事態条項

  自民党は憲法改正草案で武力攻撃、内乱、大規模な自然災害発生時に首相が「緊急事態の宣言」を発し、国会の事後承認が必要なものの、法律と同一の効力を有する政令を制定する権限を与える「緊急事態条項」を新設。安倍首相は昨年11月10日の衆院予算委員会で、今後の改憲論議について同党内では「緊急事態という条項からやるべきだという議論もかなり有力だ」と発言している。

  細野氏は自民草案の同条項については「法律がなくても政府がなんでも好きなことができるというのは、立憲主義的な観点から言って良くない」と指摘。一方で「大規模災害があった時に国政選挙があると、実際に政権をチェックする機能が失われる可能性があるし、法律が通しにくくなるということはあるので、ここは議論の余地はある」と語った。

  自民党の草案に盛り込まれている「国防軍」の保持規定については「国防軍をつくるというのは国民は認めないと思うし、そんな提案をするべきではない」と語った。このほか、改正が必要な条項として細野氏は、地方自治に関する条文を挙げた。地域主権や分権について「もっと前向きに議論していったほうがいい」と指摘した。

  細野氏は与党時代に首相補佐官、環境相などを歴任。岡田克也、長妻昭両氏と3人で争った15年1月の代表選では決選投票まで進んだが、僅差で岡田氏に敗れた。新党結成など野党再編に前向きで、「内政においてはリベラル・改革路線」、「外交安全保障においては現実路線」の旗の下の結集を唱えている。

  民主党の岡田克也代表は5日の会見で、「私の持論は憲法は時代の変化に応じて変えるべきだ」としながらも、「立憲主義を理解しない総理大臣の下で憲法改正を議論すると、それは憲法そのものの破壊になってしまう。そこにしっかり歯止めをかけられるかどうかということが大事だ」と述べた。民主党は昨年9月の安全保障関連法成立を受け、安倍政権の姿勢を「立憲主義に対する重大な侵害」と非難した党声明を発表している。

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