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コンドーム需要回復へ、日本人草食化も訪日中国人支え-相模ゴム

更新日時
  • 質を求める中国人の需要で「急に品薄になった」、出荷制限も-社長
  • マレーシアの工場を拡張し、新工場建設の計画も

日本人の性欲は減退しているとされ、そうした男性は「草食男子」と呼ばれることもある。

  日本のコンドームメーカー、相模ゴム工業は国内顧客層の先細り、高齢化、そして性的な無関心と苦闘している。一方で、同社製コンドームは中国で高い人気となっており、相模ゴムの安心材料になっている。

  中国では外国製コンドームの需要が急上昇しており、訪日中国人の急増と相まって相模ゴムの薄さを売りにした商品は売り切れが続出している。同社大跡一郎社長によると、今年は2月8日から始まる中国の春節を前に店頭での品切れを警戒して、出荷を制限しているという。

  訪日客の買い物需要で「急に品薄になった」と大跡社長(67)は話す。「春節では特に絞ろうと思っています。この辺で小売り店がもうじゃんじゃん毎日電話をかけてきて、欲しい欲しいとなる」と言う。同氏は1934年に同社を創業した松川サク氏の孫にあたる。

中国人、自国製品に懸念

  中国人消費者が日本製コンドームに求めているのは「やっぱりクオリティー」と、クレディ・スイス証券の森将司アナリストは指摘する。中国製品の安全性に懸念が高まる事態が続出したこともブームを後押ししたという。

  上海市公安局は、粗悪かつ異臭のする原材料から製造された300万個のコンドームを押収したと人民日報が2015年4月に報じた。英紙ガーディアンによると、その2年前にはアフリカのガーナで、中国企業が製造した輸入コンドーム100万個に穴が空いていたり、性行為中に破れたりしたことが明らかになった。

  日本政府観光局によると、中国からの訪日客は15年に前年から倍増して499万人。日本製の紙おむつから生理用品、炊飯器からトイレの便座まで、いわゆる爆買いのターゲットになっている。

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  「日本は中国人旅行者にとって、買い物のメッカになっている。背景には日本製品へのあこがれ、中国人旅行客が他では得られない買い物体験を楽しめること、また最近、免税措置が旅行者に拡大されたこともある」と、ユーロモニター・インターナショナルの調査マネージャー、コンウエイ氏は電子メールで指摘した。

株価上昇と下落

  国内コンドーム製造大手の相模ゴムも、その恩恵を受けている。株価は昨年1-10月にかけて137%高の1071円まで上昇した。首位のオカモトは同期間に156%高の1099円。ただ以降は中国市場の混乱や人民元安を受け、相模ゴムが532円、オカモトが851円まで下落している。

  それでも森アナリストは国内コンドームメーカーの将来に楽観的だ。中国経済が投資から消費へ移行すれば、中国人は「よりいいものを使おうということになる」という。「まだまだ伸びる余地はたくさんある」と指摘する。

  相模ゴムは、ポリウレタン製薄型コンドームの生産を拡大するため、マレーシアのイポーにある2工場のうち1つを拡張し、春までに日本市場向け生産量を現在の年産約4000万個から約8000万個に増やす方針。また3つ目の工場建設も計画している。

  相模ゴム株は25日の取引で一時、前週末比13%高となり、昨年10月5日以来の上昇率となった。同9.6%高の583円で取引を終えた。

中国本土へ輸出開始

  厚さ0.02ミリをうたったポリウレタン素材の「サガミオリジナル002」は6個入りで1000円と、1個あたりの価格は同社天然ゴムラテックス製の2倍。大跡社長によると、サガミオリジナルの品不足を招いているのは中国人旅行客の需要。今月から本土への輸出を開始した。

  中国は、売り上げの大半が国内を占める相模ゴムにとって、人口減や停滞する経済、さらにぱっとしないコンドーム需要を乗り切るための救いとなるかもしれない。ポリウレタン製のコンドームのおかげで利益こそ上がっているが、相模ゴムのラテックス製の製品需要は1980年代中旬がピークだったと大跡社長は話す。

  「どんどん下降気味で、特に2000年を超えてからだいぶ悪い」という。「日本人がコンドームを使う頻度は確実に下がっていますね。確実に」と社長はみる。「性欲が衰えている。全般的に。ただこれ、海外では全然違うんでね。日本が特にひどいですね」と述べた。

  日本人は世界の中でも性的に最も控えめだ。世界41カ国、31万7000人を対象としたデュレックスの統計によると、日本人の年間の性交回数は平均45回で調査対象国中で最低。最高はギリシャで138回、中国では96回となっている。

「男性に問題」

  相模ゴムが13年1月に国内で行った調査によると、20代男性の41%にセックスの経験がなかった。「大変、男性に問題があると思いますよ。やっぱり気弱なんでしょうね」と大跡社長は述べた。

  相模ゴムは対策を打っている。都内のクラブに独身男女を集め、「サビシンボウ ナイト」を開催している。会社によると、昨年のクリスマスには約5000人が集まったという。コンドームのサンプルを無料配布し、女性の入場は無料だ。

(第12段落の株価を更新します.)
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