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【今週の債券】長期金利0.2%割れ試すか、緩和観測で売りにくいとの声

  • 長期金利の予想レンジ0.18-0.25%、一部で根強い緩和期待との見方
  • FOMCで利上げ姿勢がトーンダウンする可能性-パインブリッジ

今週の債券市場では長期金利が再び0.2%割れを試すと予想されている。市場参加者からは、日本銀行が今週開催の金融政策決定会合で追加緩和を決めるとの観測がくすぶり、債券を売りづらいとの見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは、全体で0.18ー0.25%となった。前週は18日に0.205%まで低下したが、0.2%を割れた後の反転に対する警戒感から水準を切り上げ、0.235%と1週間ぶりの水準まで上昇する場面があった。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、今週の債券相場について、「日銀の追加緩和期待がある以上は円債も売りづらい」との見方を示した。

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  日銀は28、29日の2日間の日程で、2016年最初となる金融政策決定会合を開催する。会合では、新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表し、物価見通しの下方修正と目標達成時期の再度の先送りを議論する見込み。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀は今回会合で昨年12月に決定した補完措置の具体案を出す見込みと指摘。「その建前は国債中心の買い入れ策が景気刺激に十分機能し、継続が可能であること。よって、それと異なる方向性の質的緩和への傾斜や、利下げを同時に打ち出すことは矛盾した行動に思える」とし、「追加緩和は見込まない」と言う。

  一方、26、27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。今回の会合後はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による記者会見は予定されていない。前回昨年12月の会合ではフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25-0.5%に引き上げた。その後わずか6週間で世界は不安定化の様相を示している。

流動性供給入札と5年債入札

  財務省は26日午前、流動性供給入札を実施する。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間5年超15.5年以下。発行予定額は5000億円程度となる。

  28日には2年利付国債の価格競争入札が予定されている。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。前回入札された360回債利回りはマイナス0.025%で取引されており、過去最低となった前回の平均落札利回りのマイナス0.013%、最高落札利回りのマイナス0.009%を下回る可能性がある。

予想レンジと相場見通し

  市場参加者の今週の先物中心限月、新発10年物国債利回りの予想レンジと債券相場見通しは以下の通り。

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◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物3月物=149円25銭-149円65銭
新発10年物国債利回り=0.20-0.25%
  「日欧と米国で金融政策の方向が逆だったことが問題で、FRBがハト派姿勢なら落ち着く。仮にFRBが利上げ姿勢をトーンダウンすれば、日銀は追加緩和する必要性が低下する。ECBが追加緩和なら、FRBは3月利上げが難しくなり、米債高は長めの円債相場にはプラスに働く。一方、銀行の保有が多い中長期債は季節的に益出し売りが出やすい。10年債は付利下げでもない限り、0.2%割れは難しく、上値は重い」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物3月物=149円20銭-149円80銭
10年物国債利回り=0.18-0.25%
  「引き続きリスク資産の戻しがどれぐらい続くかが注目点。日銀決定会合では多分追加緩和をやらないとみる。相場が高値圏に来ているので、さらに昇するには材料が必要だろう。FOMCも今回は何もないとみる。3月にどうするかが焦点。市場では3月に追加利上げはないと織り込みに来ている。2年債入札は相場が調整したので問題はない。無難な結果になるのではないか。先週の5年債入札もしっかりだった」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物3月物=149円25銭-149円75銭
新発10年物国債利回り=0.20-0.24%
  「長期金利は大きく上昇しにくく、引き続き不安定なリスク資産の動向を背景に横ばいから低下基調とみている。FOMCは今回は何もないと予想しているが、日銀決定会合では市場参加者の一部で根強い期待があるので注目される。追加緩和見送りとなれば、失望感から株価や為替市場が大きく動いて、結果的に金利低下圧力が掛かる可能性がある。その逆も考えられ、材料が目白押しの週後半にかけては、波乱含みの相場展開も想定される」
*T

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