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金利の確実な高め誘導狙う米金融当局に心強い味方が登場

  • 海外の中銀が翌日物リバースレポの最大の取引相手として浮上
  • 政策金利の目標レンジ下限確保目指す米当局に海外中銀が「援軍」に

昨年12月の利上げ実施に伴い、翌日物リバースレポを通じて主要政策金利の目標レンジ下限確保を図る米金融当局にとって、想定外のカウンターパーティー(取引相手)が心強い「援軍」として登場した。海外の中央銀行だ。その背景には外国為替市場のボラティリティ(変動性)の高まりという要因も考えられる。

  米金融当局は12月、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25-0.5%に引き上げたが、FF金利を実際にレンジ内に収めるのに活用する同レポの最大の取引相手には当初、マネーマーケット・ミューチュアル・ファンド(MMF)を想定していた。

  景気てこ入れのための量的緩和(QE)の結果、米国の銀行システムは3兆ドル(約353兆円)規模の超過準備を抱えることになり、FF金利引き上げ決定前のディーラー調査では、金利の確実な高め誘導には翌日物リーバスレポを使って1日当たり3000億ドル(予想中央値)を吸収する必要があるとみられていた。

  だが利上げ以降、同レポを使った借り入れの形で米金融当局がMMFから吸収したのは1日平均で1530億ドル前後にすぎない。一方、金融当局の最新データによれば、海外の中銀相手の取引は今月20日に2160億ドルと、1年前の倍余りに拡大した。

便利なクッション

  海外の中銀の多くは多額のドル建て資産を保有しており、ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は海外中銀の外貨準備担当者について、米国債保有の場合よりもすぐにポジション解消が容易な翌日物リバースレポを流動性のクッションとして活用している可能性があると指摘する。同氏は1990年代の大幅な為替変動時の取引状況に言及した。

  海外の中銀がニューヨーク連銀に開設した債券保管口座の米国債・政府機関債の残高は昨年7月以降、1130億ドル減ったのに対し、海外中銀相手の翌日物リバースレポ取引は同期間に600億ドル増えた。

  バークレイズのストラテジスト、ジョゼフ・アベート氏は、海外の中銀による同レポ活用が拡大しているのは、海外中銀から余剰のドル建て資金を預かる米国の銀行勢が、これら資金を他に移すよう求めている結果でもあるかもしれないと語った。米国の銀行は自行のバランスシート圧縮に努めており、海外中銀の預金が減ればバランスシート面に余裕が生じるというわけだ。

  ライトソンICAPのクランドール氏は、米金融当局との翌日物リバースレポ取引が海外中銀の外貨準備ポートフォリオに及ぼす効果として、米銀への預金残高が圧縮されれば市場金利を圧迫する超過準備が減る一方、米国債・政府機関債保有が圧縮されれば市場で流通する証券の供給拡大を通じて市場金利への下降圧力が緩和されると説明した。

原題:Fed’s Unexpected Partner to Manage Rates: Foreign Central Banks(抜粋)

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