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ニッケルの島ニューカレドニア、採算割れ続く-鉱山会社の減産進まず

  • 鉱山各社、多額の資金投じたニューカレドニアで生き残り目指す
  • 世界的なニッケル供給過剰で価格が生産コストを大幅に下回る

太平洋に浮かぶ仏領ニューカレドニアでは、グレンコアヴァーレなどの鉱山会社がニッケルを生産すればするほど損失を出している。採算割れの状況にどの企業がより長く耐えることができるのか試される形になっている。

  供給過剰が続くニッケルの価格は12年ぶりの安値に下落。世界の鉱山の3分の2以上で価格は生産コストを下回っている。オーストラリア東岸沖約1000マイル(約1610キロメートル)に位置するニューカレドニアは最も深刻な影響を受けている。金融危機前にニッケルが過去最高値に達した当時、この島には多額の資金が投じられた。世界のニッケルの約15%が埋蔵されているこの島の現状は、供給削減に及び腰の業界にとって一つの教訓となっている。

Nickel Island - The Mines of New Caledonia

ニューカレドニア島のニッケル鉱山

  シティグループのアナリスト、デービッド・ウィルソン氏(ロンドン在勤)は「島全体がニッケルの塊だ。現在は安値となっているため、鉱山の生産が停止し始めている。ただ問題は、減産規模は十分なのか、それとも業界は一段の減産が必要なのかということだ。在庫水準を考えれば、さらなる減産が必要というのが答えだと思う」と語る。

  米モルガン・スタンレーによれば、世界のニッケル生産能力200万トンのうち昨年停止されたのはわずか1万6000トンで、同行は世界の鉱山の70%が価格下落により損失を出していると推計している。英スタンダードチャータードは、ニッケル生産の赤字が他のどの非鉄金属よりも大きいと指摘する。金属価格は軒並み弱気相場入りしており、大半の商品の価格は供給過剰により下落を続けている。

Expanding Inventories Compound Price Slump

  ロシアのノリリスク・ニッケルのパベル・フェドロフ第一副最高経営責任者(CEO)は今週、スイス・ダボスでのインタビューで、供給過剰が緩和されるためには世界のニッケル生産が最大30%削減される必要があるとの見方を示した。

  ロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格は過去1年間に42%下落。昨年12月には1トン=8100ドルと、2003年以来の安値を付けた。ニッケルは主にステンレス鋼の製造に利用される。07年5月には過去最高値の5万1800ドルに達した。ヴァーレによれば、同社がニューカレドニアで運営するゴロ鉱山は昨年の生産コストが1トン=2万ドル。調査会社ウッド・マッケンジーの推計では、ニューカレドニアにあるグレンコアのコニアンボ合弁事業の生産コストは3万3000ドル。コストの高さは、これらのプロジェクトが依然として増産モードであることなどを反映している。

原題:Island of Nickel Losing Money as World’s Mines Shun Output Cuts(抜粋)

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