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ECB総裁、7週間にわたる市場との対話開始-期待の制御が鍵に

  • ドラギ総裁はインフレ目標で降参しないと約束
  • 昨年12月3日の会合のように投資家をの失望招かないことが課題

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は消費者物価の押し上げに必要な措置を講じると投資家を納得させるため、再び自身に約1カ月半の期限を設けた。今回はこのメッセージに磨きがかかる可能性がある。

  ドラギ総裁は3月10日のECB政策委員会での景気刺激策強化の可能性を示唆した。このため、当局が1兆5000億ユーロ(約191兆円)の債券購入プログラムの一層の拡大を新たな資産クラスを対象とすることも含めて検討するとの観測が強まっている。ドラギ総裁は21日の記者会見で、インフレ目標を守るための当局の行動範囲に「限界はない」と強調した。

  ING-DiBa(フランクフルト)のチーフエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は「唯一の問題は総裁が今回、市場の期待に応えられるか、それともまた失望を誘うかだ」と語る。

  前回の政策委で決まった追加刺激策は市場予想に届かず、痛手を受けた投資家もいただけに、ドラギ総裁にとって次回会合までの7週間は市場の期待の制御が重要になってくる。総裁は今回、説明をどう改善していくかについて詳述を避けた上で、「コミュニケーションは双方向の問題だ。一部の失望の責任を一方だけに負わせることは極めて難しい」と語った。

  ドラギ総裁の課題は一段と難しくなっている。インフレ率はここ3年にわたり、目標の2%弱の水準には近づいていない上に、中国景気減速による世界の貿易への圧迫は強まり市場に波紋を広げている。こうした中で政策委は対応が遅過ぎて厄介だと受け止められる恐れがある。

後手に回る

  ABNアムロ銀行(アムステルダム)のマクロ調査責任者、ニック・コーニス氏は、「当局は後手に回り続けているようだ」と指摘。当局が次の行動を検討する間に「市場は行動を織り込み始める。3月になるまでにはECBが市場の期待に正面から対応するのは実に大変になる」と述べた。

  ドラギ総裁は21日の記者会見で、昨年12月3日に政策委が発表した措置は「当時の状況では全く適切だった」ものの、それ以来状況は変化したと説明。「実質的には、政策委は以前とは大幅に異なる現状に対応するため、あらゆる必要な手段を講じることにオープンな姿勢だと考える」と述べた。

原題:Draghi’s Groundhog Day Heralds Seven Weeks of ECB Market Dialog(抜粋)

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