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米国債:下落、年内の利上げ不透明に-ソロス氏は利上げなしを予想

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債券市場は、世界の景気見通しが不透明になる中で米金融当局が年内に果たして一度でも利上げができるのか疑問を抱き始めている。

  インフレ期待がここ数年で最も低い水準に落ち込み株価も世界的に大きく下げる中、トレーダーらは向こう1年間の米利上げ回数の予想を政策当局者らが前月示唆した回数の半分となる2回から、1回程度へと減らしている。

Betting on a Slowpoke Fed

  著名投資家で資産家のジョージ・ソロス氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、米当局が追加利上げを実施すれば自分は「非常に驚くだろう」とし、国債への強気姿勢を示した。また中国経済の減速が世界的なデフレの一因になると述べた。米金融当局が注目するインフレ指標は2012年以降、2%を下回る状態が続いている。

  先物市場の動向を見ると、投資家らはフェデラルファンド(FF)金利の実効レートが年末までに0.60%に上昇すると予想している。これは、0.25ポイントの幅で誘導目標のレンジを引き上げるとの仮定に基づいた場合に1回の利上げを示唆する水準である0.62%を下回る。ブルームバーグがまとめたデータによれば先物市場では、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ確率を約20%として織り込んでいる。確率が50%を超えるのは9月会合以降だ。

  SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は「当社の見方では、年内にもう1回利上げがあれば良い方だ」とし、「データで景気動向がはっきり示されるまで、金融当局は様子見を続けるだろう」と話した。

  21日の米国債相場は下落。原油相場が大きく反発したことが手掛かり。ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.03%。同年債(表面利率2.25%、2025年11月償還)価格は14/32下げて101 30/32。10年債利回りは前日、1.94%と10月2日以来の低水準に下げた。

  投資家の間では、金融市場の混乱は世界的な景気減速を反映しているとの懸念が広がっている。原油価格が急落する中、ジャンク債のデフォルトに対する投資家の懸念を示す指数は、年初としては09年以来で最大の上げとなった。

  シティグループの21日付のリポートによれば、同行の顧客は世界の経済情勢が影響し、米金融当局が利上げできる回数は限定されると予想している。シティの調査への回答者の4分の3余りは、今回の米国の利上げサイクルで政策金利が1%を超えることはないと見込んでいる。一方、金融当局の12月の予測では、16年に1.375%に上昇するとしている。

Survey Says:  A Low Terminal Fed Funds Rate

  BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「世界経済は本当に混乱に向かっているのだろうか。それが極めて大きな可能性としてあることは、30ドル未満に下落した原油価格が示している」と述べた。

  ただそれでも、リスク資産の大幅な値下がりは「市場が自らもたらしている面が強い。ボラティリティがさらなるボラティリティを生むという状況だ」と指摘。「発表された経済データで現在の相場水準を支持するものは何もない」と続けた。

  16年に入り原油価格が20%超下げる中、インフレ期待を示す債券市場の指数は09年以来の低水準付近で推移している。10年物のブレークイーブンレート(通常国債とインフレ連動債との利回り格差)はこの日約1.33ポイント。

原題:Bond Traders Bet on Slowest Fed Yet as Soros Sees No More Hikes(抜粋)

(第3段落および6段落以降を追加し、更新します.)
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