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【インサイト】ゴールドマンに就職したいならこのキャリアを選べ

ウォール街の金融機関の人減らしは周知の事実だが、ゴールドマン・サックス・グループでは人手不足の職種が一つある。従業員が問題を起こさないように目を光らせるコンプライアンス(法令順守)オフィサーだ。

  ハービー・シュワルツ最高財務責任者(CFO)は同社が2015年に採用した2800人について、「その半分強は法令順守など管理部門の課題に引き続き対応するためだ。主にテクノロジーとオペレーション関連だ」と投資家との電話会議で説明した。

  興味深いのは、ゴールドマンがコンプライアンス担当者について、最終損益に寄与し競争上の利点をもたらす戦力と見なしている点だ。

  シュワルツCFOの発言をもう少し聞いてみよう。「当社は現在、法令順守に多大な投資を行っており、これをわれわれは最重要だと考えている。われわれを超一流たらしめる競争上の優位点であるため、引き続き投資していく方針だ」とし、「長期的には業績に寄与すると考えている」とも言明した。

  花形トレーダーよ、退け。コンプライアンス担当者こそが新しいヒーローだ。まあこれは若干言い過ぎかもしれないが、ゴールドマンの場合のように収入が横ばいの状況では、法令順守が最終損益に寄与するということを理解するのは難しくない。ゴールドマンは住宅ローンのブーム時の行いのために巨額の代価を支払い、これが2015年10-12月(第4四半期)の利益を15億4000万ドル(約1800億円)下押しした。総支払額は51億ドルだ。JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、シティグループも同様に、計370億ドル余りを支払った。

  訴訟や当局からの処分に備えたゴールドマンの引当金は昨年、40億ドルを突破。14年の7億5400万ドルから拡大した。同業他社も皆、ここ数年にこうした費用に直面してきた。

  4社の合計負担額は縮小したが、ちょっとした和解は日常茶飯事で、もっと大きな支払い負担がいつ生じても誰も驚かないだろう。先月も、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)をめぐる談合の疑いで米当局が調査しているとブルームバーグ・ニュースが報じたし、米大統領候補らもウォール街への厳しい姿勢を喧伝している。

  コンプライアンス担当者を雇ったおかげで節約できた金額を数字で示すのは難しいが、その効果はバランスシートにも会社のイメージにも表れる形のあるものだ。ゴールドマンの巧みなところは、コンプライアンスのための支出を増やしたばかりでなく、そのことを清廉さが求められる時代に公言していることだ。コンプライアンス担当者を増やしたからといって巨額罰金を回避できる保証はないが、災難というものは、警戒していない時にかぎって訪れがちなものだ。

原題:Goldman Adds Compliance Officers to Roster of Rainmakers: Gadfly(抜粋)

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