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米シェブロンの大型LNGプロジェクト、原油価格安が船出に影落とす

  • 約6兆3000億円を投じたゴーゴンLNG事業、今年輸出開始へ
  • アジア向けLNGスポット価格、2010年以来の安値に下落

液化天然ガス(LNG)合弁事業としては世界最大規模の事業費が投じられた米シェブロンのゴーゴン・プロジェクトは、数年に及ぶ開発の遅れやコスト超過、労働争議に加え新たな課題に直面している。それは、10数年ぶりの低水準に沈むエネルギー価格だ。

  LNG価格の決定に利用される原油価格が12年ぶりの安値近辺となる中、シェブロンはオーストラリアの北西沖に位置する同プロジェクトからの輸出開始の準備を進めている。需要が後退する一方で、米国がLNGの初出荷を予定するなど供給が拡大しつつある状況に、ゴーゴン・プロジェクトによる輸出開始が輪を掛ける見通しだ。シェブロンによれば、ゴーゴン・プロジェクトは今年の早い時期に輸出を開始する予定。

  同プロジェクトは、エネルギー価格が予測不可能で値動きの荒い中で大型プロジェクトに投資することの難しさを浮き彫りにしている。シェブロンが同プロジェクトを進めることを決定した2009年から、北海ブレント原油価格は半分以下の水準に下落。プロジェクトのコストは540億ドル(約6兆3000億円)と、当初の370億ドルから膨らんだ。同社は向こう40年間のリターンに重点を置いていると説明しているものの、現在の市況では短期的なキャッシュフローは減少する見込みだ。

  業界コンサルタント会社IHSのアナリスト、ジェームズ・タバナー氏(東京在勤)は電子メールで「原油とLNGの値下がりは、現在操業を開始しつつある全ての新規プロジェクトの経済状態に大きな影響を及ぼすだろう」と指摘。「ゴーゴンは世界で最も費用がかかっているLNGプロジェクトの一つだ。LNGの安値が利益率をむしばむだろう」と述べた。

  エナジー・インテリジェンス・グループが集計したデータによれば、北東アジアのLNGスポット価格は14年初めから約7割下げ、100万BTU(英国熱量単位)当たり5.65ドルと、少なくとも10年以来の安値となっている。
  
原題:Chevron’s Costly LNG Project to Start in Shadow of Oil Collapse(抜粋)

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