コンテンツにスキップする

原油の「長期にわたる下落」シナリオ、一層悪化か-ダボス会議出席者

  • グレンコアやUBS、IEA:価格が近く回復することはないと予想
  • 石油業界の新シナリオは「かなり長期にわたるさらに大幅な下落」

今回の石油危機でよく耳にしたシナリオは「長期にわたる下落」だった。それは「一層長期にわたる下落」となった。そして今、スイスのダボスでは石油会社幹部らがささやくように新たな悪夢のシナリオを口にし始めている。それは「かなり長期にわたるさらに大幅な下落」だ。

  世界経済フォーラム(WEF)に出席している石油会社幹部や政策立案者、銀行幹部らは原油価格の回復見通しについて、今年も引き続き不透明との見方を示した。主要生産者が生産を継続する一方、中国の燃料需要が後退しているためだ。また、経済制裁解除によりイラン産原油の世界市場への供給が増えるため、原油価格はさらに打撃を受ける可能性があると懸念している。

  国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長はブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、「3年連続で供給が需要を上回っている。価格にはなお下押し圧力がかかるだろう。価格が今年、予想外に上昇する理由は見当たらない」と述べた。

Not So Great Expectations

  商品取引大手グレンコアのトニー・ヘイワード会長は、エネルギー市場が「供給ショック」を乗り切るまで事態は改善しないと予想、「原油は供給過剰だ」と語る。

Axel Weber

UBSのアクセル・ウェーバー会長

  UBSグループのアクセル・ウェーバー会長は、「経済制裁の解除でイランの原油供給は増え続けると私は考えている。従って、原油価格が近く底入れし再び上昇することはないだろう」と指摘。価格下落は、石油輸出国機構(OPEC)のリーダーであるサウジアラビアなどイランと競合する産油国全てにとって生産を継続する動機付けになるとの見方を示した。

  IEAのビロル事務局長は、新規供給向け設備投資の前例のない削減が価格回復のきっかけとなるものの、それが実現するのは2017年になると予測。投資は昨年20%削減され、今年も16%落ち込むとみている。アラブ首長国連邦(UAE)のクレセント・ペトロリアムは、投資削減の規模が大きいため価格回復局面では上昇は急激なものになると予想する。

  クレセントのマジド・ジャファール最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「影響は将来表れ、サイクルはより極端になるだろう」と語った。同CEOは価格が上昇すれば、「50ドルまで戻ることは可能だろう」と予想した。
  
原題:Davos Oil View: ‘Lower-for-Longer’ Turns to Something Worse(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE