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円が上昇、中国経済・原油安懸念でリスク回避根強い-対ドル116円台

更新日時
  • 前日は一時115円98銭、昨年1月以来の水準までドル安・円高進む
  • リスクオフの流れを作ったのは中国と原油安-外為どっとコム

東京外国為替市場では円が上昇。中国経済や原油相場をめぐる先行き不透明感を背景に、リスク回避に伴う円買い圧力が根強く残った。

  21日午後3時53分現在のドル・円相場は1ドル=116円71銭付近。午前に一時117円48銭までドル高・円安に振れたが、午後は日本株が失速したのに連れて、一時116円62銭まで円が値を戻した。円は主要16通貨に対して、午前にいったん全面安となっていたが、午後には一転して全面高となった。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、「政府・日銀が何かするのではないかといううっすらとした期待はありながらも、本当にそうなるとは誰も思っていないので、相場のトレンドにつながりにくい」と指摘。「リスクオフの流れを作ったのは中国と原油安」と言い、ドル・円の戻りは鈍く、リスク回避の可能性の方が高いとみる。

ドル・円相場と日経平均株価の推移

  日本銀行は28、29日の日程で金融政策決定会合を開く。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、安倍晋三首相の側近が世界的な市場の混乱が「アベノミクス」の支障となる恐れがあるため、来週の会合で追加緩和すべきだとの見方を示したと報じた。

  黒田東彦日銀総裁は21日の参院決算委員会で、投資家のリスク回避姿勢は強まっていると指摘し、市場動向が経済・物価に与える影響は十分注視すると述べた。また、必要ならちゅうちょなく政策の調整行うとあらためて言明。最も適切な方法を取るとし、緩和手段は十分持っているとの認識を示した。また、現時点でマイナス金利を具体的に考えていることはないとも語った。

  柴山昌彦首相補佐官は21日、ブルームバーグのインタビューで、日銀による追加緩和について「まだその判断をするには早い」との見方を示した。世界経済の減速を背景に生じている株価の下落は「一時的なものかもしれない」と述べ、「投機的なスペキュレーションによる下落という可能性もあるから、そこはもう少し見極めが許される」と話した。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの山田修輔チーフFXストラテジストは、「政府関係者から円高に対してけん制発言が出てもおかしくないスピード」だとし、日銀の金融政策決定会合を来週に控えて、「いったん円高リスクは緩和方向にある」と指摘。「追加緩和はメーンシナリオではないが、円高の進行やもろもろの状況を考えると、緩和の可能性が高まっている感はある」と話す。

  半面、山田氏は、緩和の効果に懐疑的な意見が多い面もあり、「緩和期待で積極的に円売り持ち高を構築する動きは見込みにくい」とした上で、「グローバルマクロの環境はそんなに良くない。円高警戒感は根強い」と話す。

  この日の東京株式相場は反発して取引を開始し、日経平均株価が一時前日比318円高まで上昇幅を広げる場面も見られたが、午後に入って下落に転じた。結局、398円93銭安の1万6017円26銭と、この日の安値で引けた。

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