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欧州債:イタリアなど高利回り国債が下落-ECB防御策の限界を示唆

  • ドイツ国債は堅調、周辺国債とのスプレッド拡大
  • ポルトガル国債とのスプレッドは一時7月以来の大きさ

20日の欧州債市場ではユーロ参加国の中で高利回りの国債が売られた。欧州中央銀行(ECB)の防御策にも限界があることを示唆した。

  原油や株式の売りが膨らんだこの日、ドイツ国債が買われた一方、スペインとイタリアの国債は下落した。ドイツ国債に対するポルトガル国債の利回り上乗せ幅(スプレッド)は昨年7月以来の大きな幅に拡大し、ポルトガルで前政権が崩壊した当時の水準に達した。

  ECBの月600億ユーロの国債購入は過去1年にわたり周辺国債を強烈な売り浴びせから守ってきたが、この日の急落は債務危機の当時を想起させた。ECBの国債購入の対象外であるギリシャ国債も下落し、10年債利回りは8月以来の高水準となった。

  みずほインターナショナルの金利戦略ストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は、昨年3月に始動した「ECBの公的セクター債券購入プログラム(PSPP)ができることは限られている」と指摘した上で、「1年前とは状況が極めて異なる。周辺国債は明らかにマクロ・トレーディングで最良の取引対象だった。現在はこうした国債を買う向きがおらず、投資家は選別物色の様相だ」と続けた。

  商品安をきっかけとしたリスク志向の落ち込みのほか、各国特有の情勢も周辺国債に打撃を与えている。

  不良資産の受け皿となるバッドバンク設立で後れを取るイタリアでは株式と債券が売られ、これが国債相場にも悪影響を及ぼした。ポルトガルでもノボ・バンコの債券保有者の一部が損失を強いられ、懸念が広がった。

  ロンドン時間午後4時40分現在、ポルトガル10年債利回りは前日比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.92%。同国債(表面利率2.875%、2025年10月償還)価格は1.265下げ99.64。これに対し、ドイツ10年債利回りは6bp下げ0.49%となった。

  ポルトガル10年債とドイツ国債のスプレッドは243bp。昨年7月8日以降の最大となる245bpまで拡大する場面もあった。

  イタリア10年債利回りは9bp上げ1.64%、同年限のスペイン国債利回りは8p上昇の1.78%。ギリシャ国債は95bp上昇し10.12%。一時は8月21日以来の10.15%を付けた。

原題:Italy Bond Drop Amid Global Rout Shows Limits of ECB Protection(抜粋)

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