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【インサイト】銀行株への脅威は原油だけじゃない、経営陣は楽観だが

大手米銀の経営陣の話を聞いていると、エネルギーセクター以外では信用市場に特に懸念材料はないように思える。例えばバンク・オブ・アメリカ(BOA)のポール・ドノフリオ最高財務責任者(CFO)は19日、エネルギー以外の分野では資産の質に大きな変化は見られていないと述べた。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)も先週、企業債務とクレジットカード事業の状態は良好だと発言。シティグループのジョン・ガースパッチCFOによれば、エネルギー以外のローン資産は「極めて良い状態」にある。

  しかし市場は、信用の質の悪化が1分野だけに限定され続けるとは考えていない。KBW銀行株指数は今年に入り14%下落し、2013年10月以来の低水準に近い。24行で構成する同指数は昨年7月に付けたリーマン・ブラザーズ破綻以降の高値から20%余り下げている。BOA、シティ、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガンの株価はいずれも年初来の下落率が2桁台だ。

  エネルギー会社への融資はこれら銀行の事業の大きな部分ではない。例えばBOAとウェルズ・ファーゴでローン資産全体の2%前後だろう。原油価格が1バレル=30ドル以下に長くとどまれば銀行は商品セクターからの損失に備えた引当金を積み増す必要が生じるが、ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらの見積もりでは、エネルギー会社向け融資の10%まで引当金を増やした場合にそれが2016年利益を押し下げる度合いは2-6%程度だ。

  しかし市場はもっと悪い事態を覚悟し、身構えているようだ。ウェルズ・ファーゴ以外の株価純資産倍率(PBR)は1倍を下回っている。これは今に始まったことではないが、バリュエーションは下がり続けており、KBW指数全体のPBRも1週間ほど前に、2013年以来の1倍割れとなった。これは、信用市場の弱さがエネルギー以外の分野にも広がると投資家が懸念していることを示唆する。

  そのほかにも、変動の激しいトレーディング環境が資本市場の活動を抑えるのではないか、米利上げペースが不透明な中で期待通りに利ざやが拡大し利益に寄与するだろうか、という危惧もある。

  リチャード・ラムズデン氏らゴールドマンのアナリストの予想は、銀行株のトータルリターンを平均21%と見込む内容だ。アナリストらはリポートで、予想に対する「上振れリスク要因は景気が強まることと予想以上のペースでの金利上昇、下振れリスク要因は資本規制強化と一段と緩慢な利上げペース、経済環境の悪化」だと結論付けた。

  現在のところ、投資家は後者を想定しているようだ。

原題:Bank Stocks Are Bracing for Something Worse Than Oil: Gadfly(抜粋)

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