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米中経済関係:習主席の筆頭顧問がルー財務長官の新たな電話相手に

  • ルー長官は今年に入り劉鶴氏と中国の通貨政策を協議
  • 国務院の地位後退と習主席の影響力拡大を示唆する兆候と識者

昨年8月に中国当局が事実上の人民元切り下げに踏み切った数日後、ルー米財務長官はこの予想外の政策変更について汪洋副首相と話し合った。ルー長官と汪副首相は昨年このほかにも、米中戦略・経済対話などの機会に直接会ったり、電話会談を行ったりした。

  だが今やルー長官の電話会談の相手は、習近平国家主席の筆頭顧問の1人である中国共産党の劉鶴・中央財経領導小組弁公室主任になった。米財務省が17日夜に発表した声明によれば、ルー長官と劉氏は過去1週間、中国の通貨政策をめぐる同国の意思伝達について協議した。

  ルー長官の対話の相手が変わったことは、李克強首相率いる国務院(内閣に相当)の地位が後退する一方で、習主席の影響力が拡大していることを示唆する有力な兆候として、識者の関心を引いている。

  ロンドン大学キングス・カレッジのケリー・ブラウン教授(中国研究)は、「李克強はやや脇に追いやられ、首相としての力量に乏しいという、過去数年間に根付いてきた見方を裏付けるものだ」と指摘。「習主席は側近の顧問グループと共に国政運営に当たり、劉氏はその筆頭の1人であるとの分析にも一致する」と説明した。

  過去の米財務省の声明からは、ルー長官が汪副首相と2015年下期(7-12月)に少なくとも3回電話会談を行ったことが分かる。この時期には、中国の景気減速と市場の混乱が世界経済全体に反響し、9月にも予想されていた米金融当局の利上げ開始の先送りにもつながった。

  今月に入ってからの市場の動揺と人民元下落を受け、ルー長官が連絡を取り合っているのは米ハーバード大学への留学経験があり、市場重視の改革を提唱する劉氏だ。同氏は経済分野で習主席の右腕として、最新の5カ年計画策定にも携わった。

原題:U.S. Treasury Chief Has a New Phone-Friend on Yuan in China (1)(抜粋)

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