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猿も木から落ちる、年始急落読めずプロ9割外れ-日本株安値予想

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「申酉(さるとり)騒ぐ」の相場格言通り、過去最長となる年始からの6日続落など厳しいスタートを切った2016年の日本株。株式市場の専門家もこの展開は読み切れず、ストラテジストや運用、情報担当者の多くが昨年末時点で想定したことしの安値水準を既に下回っている。大発会で全体の4割、半月が経過した時点で9割が外れとなり、猿も木から落ちた。

  日経ヴェリタス誌が3日付で掲載した専門家によることしの日経平均株価予想によると、アンケートに答えた66人のうち、年間安値を大発会4日の安値1万8394円より上の水準でみていた市場関係者は29人。また、20日の安値1万6387円より上でみていた向きは58人だった。年間安値予想の平均は1万7920円。

  日経平均は4日から12日まで6営業日続落し、年始からの連続安記録としては過去最長となった。20日までの12営業日中、10営業日で下落。20日には終値ベースで600円以上急落し、日本銀行が追加金融緩和を決めた2014年10月31日以来、およそ1年3カ月ぶりの安値に沈んだ。

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  昨年末時点で16年安値を1万9800円とみていた証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、日本の休場中にサウジアラビアとイランが国交断絶したことで、「ことしは嫌なスタートになりそうだという懸念はあった」と言う。2-3日でその影響は薄れると思っていたものの、「その後もずるずると下げ、様子がおかしいと皆慌てだした」とみる。

  大谷氏は、「原油や中国景気の減速などは昨年1回経験していた売り材料だったため、相場が大きく崩れる可能性は小さいと考えていた」と指摘。中国の景気持ち直し、米国経済の堅調、原油のバレル当たり30ドル台維持で「ファンダメンタルズは昨年夏とは違うと考えていたが、そうではなかった」と振り返った。

  一方、ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者(CEO)が同誌、昨年12月末にブルームバーグがまとめた16年末予想で示した日経平均の安値見通しは9000円。20日終値に対し、およそ5割下方の水準にある。

  菊池氏は、結果的に外れた多くの安値予想について「企業業績が好調で、中国株が乱調でも来期まで日本企業の増益が続くというロジックだ」と分析。それに対し同氏には、「中国をはじめ新興国経済が弱まり、それにより資源価格が押し下げられ、さらに新興国経済が悪化する『死のスパイラル』からは日本も無関係とは言っていられない」との読みがある。

  菊池氏によると、昨年半ばからの相場展開は米国のサブプライムローン問題やリーマン・ショックが表面化した07-08年当時に似ているという。現在は、16年度の企業業績が「減益になる可能性があると、年明けから一気に織り込んできた」とし、実際の業績悪化を受け、日経平均は7-9月に1万3000-4000円まで下がると想定。「17年からの消費増税を見送ろうという話が出てきたとき、もし日銀の金融政策を海外投資家が財政ファイナンスではないかと問題視してきたら、下げの第2ステージに突入する」とみている。

  20日時点の日経平均の年初来下落率は14%で、先進国市場では香港やイタリア、ポルトガルなどとともに下落率上位に並ぶ。証券ジャパンの大谷氏は、「戦後初の6連敗スタートとこの下げはそうそうあることではない。日本の取引時間中に下げが大きくなるパターンが多いなど、真綿で首を絞められるような下がり方だ」と話した。

  21日の日本株は、日経平均が一時300円以上反発する場面が見られたが、午後にかけ失速。終値は398円93銭(2.4%)安の1万6017円26銭と、この日の安値引けとなった。およそ1年3カ月ぶりの安値水準で、心理的節目の1万6000円が迫った。

(文末の21日の日本株市場の情報を更新します.)
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