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日本株は昨年来安値を更新、マクロ不安で日銀追加緩和時の水準へ急落

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20日の東京株式相場は大幅反落し、昨年来安値を更新した。国際原油市況が下げ止まらない上、減速方向の中国経済や国際通貨基金(IMF)が世界の成長率予想を引き下げ、マクロ景気の先行き不安が広がった。鉱業や石油など資源関連、海運や鉄鋼、機械、不動産株など幅広く売られ、東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比51.44ポイント(3.7%)安の1338.97、日経平均株価は632円18銭(3.7%)安の1万6416円19銭。TOPIX、日経平均とも2014年10月31日以来、およそ1年3カ月ぶりの安値水準。一昨年10月末は、日本銀行が異次元金融緩和の追加策を発動した日だ。両指数の下落幅は昨年9月29日以来の大きさとなった。

  大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は、「ヘッジファンドがアジア株式をショートしていて、その上で原油先物に売りを入れたと考えられる。原油は取引規模が少なく、瞬間的にはそれほど難しくはない。仕掛け的な部分で相場は原油安に振り回されている」と話した。現在は完全なパニック状態にあり、「本当のセリング・クライマックスになる可能性はある」と言う。

  19日のニューヨーク原油先物は前営業日比3.3%安の1バレル=28.46ドルと、終値で03年9月以来の安値を付けた。国際エネルギー機関(IEA)が月報で、世界の石油市場が供給過剰であふれ返る可能性がある、と指摘したことが売り材料。日本時間20日午後3時時点の時間外取引でも下落している。

  IMFは19日に公表した最新の世界経済見通しで、ことしの世界成長率予想を下方修正した。資源価格の低迷や政治的こう着でブラジルが深刻なリセッションに見舞われ、原油安は中東産油国の足かせとなり、ドル高が米国の先行きに影を落としている。16年の成長率予想は3.4%、昨年10月時点は3.6%だった。17年予想も3.8%から3.6%に見直した。中国のことしの成長率見通しは6.3%で据え置き。前日に中国国家統計局が公表した15年の成長率は6.9%、1990年以来の低水準だった。

先物主導、午後はじり安展開

  きょうの日本株は、原油安やマクロ景気への不安で小幅に反落して始まり、午前半ば以降に先物主導で下げピッチを速め、午後はじり安展開となった。中国上海総合指数は0.5%安で始まった後も軟調、アジア市場では香港や韓国、シンガポールなどが下落基調を強めた。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種株価指数先物は基準価格に対し一時30ポイント以上下落、海外株安連鎖への懸念が強まった面もある。ドル・円相場は朝方の1ドル=117円60銭台に対し、午後には116円70銭台まで円が強含んだ。

  みずほ証券投資情報部の大神美由紀シニアストラテジストは、「全体的に原油、中国経済問題が2大不透明要因として横たわっている」とし、前日のように短期のリバウンド局面はあっても、「2大問題にある程度見通しが出てこないと、本格的な回復は難しい」とみる。

  東証1部33業種は鉱業や海運、不動産、石油・石炭製品、その他製品、建設、鉄鋼、機械、倉庫・運輸などが下落率上位。売買代金上位では、創業者による株主提案で経営陣の対立が明らかになったクックパッドが急落。トヨタ自動車やソフトバンクグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニー、ファーストリテイリング、任天堂、ダイキン工業、三菱地所、ホンダなども安い。さくらインターネットは逆行高。

  東証1部の売買高は25億6622万株、売買代金は2兆6726億円。上昇銘柄数はわずか40にとどまり、下落は1886に膨らんだ。大阪取引所の日経平均先物の出来高は午後3時30分すぎ時点で14万5000枚と、年初来の1日当たり平均12万3000枚を上回った。

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