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中国の消費者、原油安の恩恵を十分得られず-小売価格が実勢反映せず

  • 原油相場が40ドルを下回る限り、当局は燃料小売価格を引き下げず
  • 消費者と製油会社、掘削・生産業者への影響を検証

中国の消費者にとって、原油相場の急落による恩恵は1バレル=40ドルで止まったままだ。

  中国国家発展改革委員会(発改委)によると、原油価格が同40ドルを下回る限り、ガソリンなどの小売燃料価格は相場動向に連動して引き下げられることはない。計画を先週発表した際、発改委はこの政策が燃料の消費抑制や環境汚染の改善、供給確保を目的としたものだと説明した。

China Fuel Prices Not Allowed to Fall as Much as Oil

  原油相場の動向を反映させるため、中国国内の燃料小売価格は定期的に調整されている。表向きにはこのメカニズムが導入されたままだが、政府は一段の値下げを控えている。原油市場の指標となっている北海ブレントの価格が既に1バレル=30ドルを割り込む中、世界2位の原油消費国である中国での新たな政策による影響を次に検証する。

消費者への影響

  上海に拠点を置く商品市場調査会社、ICIS安迅思のアナリスト、リ・リ氏は電話取材に、「一つ確かなことは消費者が最大の敗者だということだ」と説明。「消費者が石油企業に補助金を出す形になっている」とコメントした。

  2013年3月の現行の価格メカニズム導入以降、北京のガソリン小売価格は約30%下落している。一方、米国ではガソリンの平均価格が約50%下げている。同期間で原油価格は70%余り下落。原油相場がここからさらに下げたとしても、中国のドライバーに恩恵が行き渡ることはないだろう。

製油会社への影響

  発改委によると、原材料価格が急落する中で小売価格を固定することで生じる利益は省エネの促進や環境汚染の改善、燃料の質向上、石油供給の確保を目的とした基金に回ることになる。このため、アジア最大の中国石油化工(SINOPEC)やペトロチャイナ(中国石油)などの製油会社は恩恵を受けられない可能性がある。

掘削・生産業者への影響

  発改委は、小売価格に下限を設けた理由の一つとして、世界の原油相場急落から石油掘削や生産業者を守ることを挙げている。発改委によると、世界の石油生産の平均コストは中国当局が下限とした約40ドル。中国では石油資源の質が一般的に低いため、コストはこれよりも幾分高くなるという。

  15年1-11月の原油生産は日量約430万バレルと前年同期から2%増えたが、昨年11月の生産は0.5%減となった。前年割れは14年4月以来だった。

原題:Oil Prices Stopped Falling at $40 a Barrel for Chinese Consumers(抜粋)

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