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IMF:世界経済成長見通しを下方修正、ブラジル不安や原油安が重し

  • IMFは16年世界経済成長率予想を3.4%に引き下げ-10月時点3.6%
  • 16年は「大きな試練の年」に-日本の成長率予想は1%に据え置き

国際通貨基金(IMF)は19日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の世界成長率予想を下方修正した。資源価格低迷や政治的こう着でブラジルが深刻なリセッション(景気後退)に見舞われ、原油価格急落が中東産油国の足かせとなっている上、ドル高が米国の先行きに影を落としている。

  IMFは2016年の世界経済の成長率を3.4%と予想し、昨年10月時点の3.6%から引き下げた。17年の見通しも3カ月前の3.8%から3.6%に修正した。

  16年の金融市場が波乱の幕開けとなる中、IMFの最新見通しはほとんど慰めになりそうにない。米S&P500種株価指数は今年、過去最悪のスタートを切ったほか、原油価格は急落。米金融引き締めで世界の高リスク資産からの資金離れが生じている。

  IMFチーフエコノミストのモーリス・オブストフェルド氏は世界経済見通しの添付文書で、「今年は大きな試練の年になる。政策当局は短期的な回復力とそれを高める方法だけでなく、長期成長見通しについても検討すべきだ」とコメントした。

  IMFの推計では、昨年の世界経済成長率は3.1%と、09年のリセッション(景気後退)以来の低い伸びとなった。新興国や途上国の成長が5年連続で減速した。

下振れリスク

  IMFは世界経済見通しのリスクが依然として下向きだと指摘する。新興国の景気減速と、中国の成長原動力としての輸出や製造業からのシフト、米金融当局による超低金利政策の緩やかな解除という3つの大きな調整に世界が直面していると分析。こうした課題にうまく対処できなければ、世界の成長は脱線しかねないと警告した。

  このように一段と暗い見通しの背景には、新興国の成長をめぐる展望悪化という大きな理由がある。IMFは新興国・途上国の今年の成長率見通しを4.3%と、10月時点の予測(4.5%)から引き下げた。15年推計は4%としている。オブストフェルド氏は「今年は新興国や途上国を中心に波乱の年になる可能性がある」と記した。

  中国の今年の成長率見通しは6.3%に据え置いた一方、ブラジルの16年成長率予想は2.5ポイント引き下げマイナス3.5%に修正。ロシアの16年成長率見通しはマイナス1%(10月時点マイナス0.6%)とした。

緩慢でまだら模様の回復

  先進国経済については、「緩慢でまだら模様」の回復が続くと予想。米国の16年成長率見通しを2.6%(同2.8%)に引き下げた。米経済には依然として全体的に「回復力」があるものの、ドル高が製造業の重しとなり、原油安が設備投資を抑制していると指摘した。

  ユーロ圏の16年成長率予想は1.7%とし、3カ月前より0.1ポイント引き上げた。日本の今年の成長率予想は10月時点と同じ1%とし、英国の16年成長率見通しも2.2%に据え置いた。

原題:IMF Trims Global Outlook as Brazil Slump, Oil Weigh on Expansion(抜粋)

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