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ニッケル供給不足が拡大へ、価格低迷で鉱山操業に打撃-住友鉱予測

  • 2016年の需給バランスは4万3000トンの供給不足と予測
  • 昨年10月時点の予測7000トンの供給不足から不足幅が拡大

ニッケル製錬で国内最大手の住友金属鉱山は2016年の世界のニッケル需給が4万3000トンの供給不足になるとの予測をまとめた。7000トンの供給不足と予測した昨年10月時点と比べて不足幅が拡大する。ニッケル価格の低迷を受けて、採算難から原料であるニッケル鉱石の生産が落ち込むことが影響する。6年ぶりの供給不足に転換する見通し。

  ニッケル営業・原料部の末田洋部長が18日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。16年のニッケル需要量は前年比1.6%増の193万4000トンと伸びを見込む一方、供給量は同3.6%減の189万1000トンに落ち込むと予測。中国で生産される安価で低品位のニッケル銑鉄と呼ばれる品種の生産量が同21%減の30万トンと見込むことが大きい。昨年の世界需給は5万7000トンの供給過剰だったとみる。

  末田部長は「現在の相場水準ではフィリピンの鉱山会社にとって採掘コストがまかなえない」と指摘。さらに天候不順も重なり、ニッケル鉱石の生産量が落ち込んでいるという。中国の製錬会社にとってはフィリピンが原料ニッケル鉱石の主要な供給源。フィリピンの減産によって、中国のニッケル生産にも影響が及ぶとの見方だ。

  インドネシアが14年から鉱石の輸出を禁止しており、ニッケル鉱石の主要輸出国はフィリピンとニューカレドニアに限られる。ニッケルはステンレス鋼の原料として使用され、中国では主に建設資材向けにステンレス鋼が使われている。

LMEニッケル価格(3カ月物)

  ニッケルの世界消費の約半分の需要を占める中国の景気減速を主因にロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場(3カ月物)は昨年1年間で4割超下落した。今年に入り12日には1トン当たり8100ドルまで下落、03年5月以来の安値を付けた。

  こうした価格低迷を受けて、フィリピンの鉱山会社グローバル・フェロニッケル・ホールディングスのジョセフ・サイ会長は昨年12月、同国の一部のニッケル鉱山は操業停止に追い込まれているとのコメントを発表。中国はニッケル鉱石の9割以上をフィリピンから輸入しており、鉱石不足から中国のニッケル生産にも影響が及ぶだろうとの見方を示していた。

  末田氏は低迷するニッケル価格の反転については「需要の本格回復が明らかになってくるまでは難しい」として時間がかかるの見方。ソシエテ・ジェネラルは14日付のリポートで、1-3月の平均ニッケル価格が1トン当たり8500ドル、4-9月が9000ドル、10-12月が9500ドルと予測した。
 

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