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ソフトバンク孫社長の経営手腕に疑問符、スプリント再建に時間

更新日時
  • 株価はスプリント買収後の最安値まで下落
  • 日本でのソフトバンクの成功に自信を持ち過ぎていた-市場関係者

米子会社スプリント買収以降、成長期待から買いを集めたソフトバンクグループ株だが、市場は孫正義社長の経営手腕を懐疑的に見始めている。ソフトバンク株は18日、2013年7月のスプリント買収後の最安値まで売られ、19日も軟調に推移した。

  ソフトバンク株は19日、一時前日比2.9%安の4964円まで売られ、同1.3%安の5046円で取引を終えた。前日はスプリントのネットワーク関連費用の10億ドル(約1170億円)削減計画についてアナリストらが疑問視していると伝えられ、保有するスプリント株が下落したため、スプリント買収完了前の13年6月以来の安値となる5095円まで下げていた。

  ソフトバンクのスプリントの買収は、12年10月に明らかになった。それまで3000円台を推移していたソフトバンク株は13年初めから大幅に上昇、同年12月27日には9320円まで買われた。ただ、米国内での規模拡大を目指して試みた同業のTモバイルUS買収が失敗に終わったことなどを受け、14年、15年の株価は伸び悩んだ。

  BGCパートナーズの日本株セールス担当マネジャー、アミール・ アンバーザデ氏は「孫社長は日本でのソフトバンクの成功に自信を持ち過ぎていた」と述べた。「人目を引く大きな買収の際に見られた孫社長の幸運も、スプリントでは尽きたようだ」という。

  孫社長のスプリントについての説明も時々で変化している。昨年11月の会見では、人員削減などにより16年度以降の固定費を20億ドル超削減することが可能だと説明し、ネットワーク改善についても「光が見えた」と自信を見せていた。一方、同8月の会見では、一時は売却も含めて考えようかと思ったと明らかにしている。12年の買収発表後の会見では、「成功させる自信がある」「またとないチャンス」などと自信を見せていた。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、スプリント買収時に孫社長が急速な改善を目指すと言っていたにもかかわらず「達成できていないことが、投資家を失望させてしまっている」と話す。

  スプリントの立て直しのため、孫氏は14年8月、米携帯電話卸売会社ブライトスターの創業者マルセロ・ クラウレ氏を最高経営責任者(CEO)に指名した。 クラウレ氏は、ネットワーク改善と半額プラン、タブレット販促などで顧客獲得を目指したが、販促コストが業績の重しにもなっている。

   SBIアセットマネジメントの運用本部長、木暮康明氏は、孫社長にとってTモバイルUSを買収できなかったのは「想定外だった」と述べた。また孫社長は短期的にV字回復はできないと言っているとして、「投資家はそんなに長いタームだと待てない」と話した。

  ソフトバンクの広報担当、小寺裕恵氏は株価の下落などについてコメントしなかった。

(終値を追加しました.)
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