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日本株新春の嵐、弱気過剰のテクニカル指標効かず-昨秋安値切る

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2016年の日本株は年始からの2週間でおよそ1割下落、中国や原油、中東情勢など海外発の悪材料に翻弄(ほんろう)され、嵐の船出となった。テクニカル指標やチャート分析では売られ過ぎを示すシグナルが相次いでいるものの、恐怖におびえた投資家は買い見送りの姿勢を強めており、相場反転への糸口が見えない。

  TOPIXは大発会の4日から12日まで6日続落し、年始からの連続安記録としては過去最長となった。15日までの9営業日中、8営業日で下げており、年初来下落率は9.4%。一時は11%安まであり、昨年1年間の上昇分9.9%を帳消しにする場面もあった。世界との比較では、先進24カ国の中でノルウェー、香港に続きワーストパフォーマー上位に並ぶ。

  野村証券の谷晶子チーフテクニカルアナリストは、「さまざまな指標からみて、いつ底入れしてもおかしくないほど調整している。いつ反発してもおかしくないと思いつつ、下げが止まらない」と話す。

  相場の買われ過ぎ、売られ過ぎを計るオシレーター系テクニカル指標の1つである株価相対力指数(RSI)は、TOPIXで12日に24.4%と昨年8月25日(15.8%)以来の低水準まで下がった。RSIでは、30%を割れると売られ過ぎと判断される。15日時点は30.8%。

リーマン・ショック以降のTOPIXとRSI推移

  また、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比である騰落レシオは、12日に57.9%とリーマン・ショックの後遺症が残っていた09年11月以来の低水準に達し、その後も60%台前半と売られ過ぎを示す70%以下にある。25日移動平均線からのマイナス乖離(かいり)も6.9%と、目先売られ過ぎの5%を依然超えたままだ。需給面のデータでは、昨年12月は30%台半ばを挟み推移していた東証1部の空売り比率が7日に42.4%と昨年9月29日(43.4%)以来の高水準に上昇。年初来の9営業日中、8営業日で40%を超す。

  東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「空売り比率40%というのは異常な高さ。いくら株が割安で売られ過ぎていると分かっていても、投資家が手を出せないレベル。お手上げだ」と言う。15日も41.2%と3日連続で上昇した。

Tokyo Short Ratio Reaches New Heights

  海外原油市況の上昇を好感した15日の取引では、TOPIXは朝方に一時1.9%高と反発基調を強めたが、午後の失速で結局0.3%安と続落して終了。投資家心理の悪さをあらためて浮き彫りにした。サクソ・キャピタル・マーケッツのストラテジスト、ケイ・バンピーターセン氏は「テクニカル面では売られ過ぎだが、買いたいとは思わない」と静観の構え。「RSIをみている投資家は買いたいと思うかもしれないが、今から15や10まで下がる可能性もある。9月の状況とは違う」との認識だ。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの角田成広シニアインベストメントマネジャーは、「昨年12月30日とことしの1月15日でマクロのファンダメンタルズが変わったかと言われれば、変わっていないと答える」と言う。ファンダメンタルズに変化がない状況だけに、「確信を持って買いたい銘柄がない。1カ月前に良いと思った銘柄は既に保有し、そうでない銘柄も劇的にバリュエーションが変わったという感じはしない」と手掛かり難の状況を指摘した。

  18日の東京株式市場は前週末の世界的株安の流れに加え、米国経済統計の低調や海外原油安、為替の円高から景気、企業業績の先行き懸念が強まり、売りが殺到。TOPIXは一時2.8%安の1363.91と、昨年9月29日の日中安値1371.44を割り込み、およそ1年ぶりの安値水準に達した。25日線からのマイナス乖離率は9%まで達している。

(文末に18日の日本株動向を追記します.)
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