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【今週の債券】長期金利は低下か、需給逼迫やリスク回避で最低更新も

  • 長期金利の予想レンジ0.15-0.25%、0.2%割れでは売りとの見方も
  • 20年債入札に注目、昨年1月の相場急落は同入札不振がきっかけ

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。世界的なリスク回避の動きが続いていることに加え、日本銀行の長期国債買い入れオペによる需給逼迫(ひっぱく)の状況も変わらず、金利低下圧力が掛かりやすいとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは、全体で0.15ー0.25%となった。前週は一時0.19%と1年ぶりに過去最低水準を更新したが、その後は0.25%まで上昇する場面があった。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、今週の債券相場について、「リスク回避の環境が継続するかどうかが相場を決める。先物は最高値、10年債利回りは過去最低更新を試す展開」とみている。

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  前週末の金融市場では世界的に株価が大幅安となった一方、債券は大きく上昇した。中国・上海株が約1年1カ月ぶりの安値に下げ、ニューヨーク原油先物相場も一時1バレル29ドル台前半と12年ぶりの安値を付けた。投資家心理が一段と冷え込んだことで米株市場でも幅広い銘柄に売りが広がった。米債市場では買いが膨らみ、10年国債利回りは約3カ月ぶりに2%を割り込む場面があった。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「リスクオン、債券スティープ化の流れへと反転するにはより明確な財政・金融政策による支援と経済指標の好転が必要だ。春節前のどこかで、中国が財政・金融緩和を打ち出す可能性は十分にあり、リスク資産安定には寄与しそうだ」と指摘。しかし、「リスクオフの本源は先進国、特に米国にあるとみられ、これだけではグローバルな相場の流れを変えることはできないだろう」と言う。

5年債と20年債入札

  財務省は19日午前、5年利付国債の価格競争入札を実施する。前回入札された126回債利回りは0.015%で取引されており、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。

  21日には20年利付国債の価格競争入札が予定されている。前回の155回債のリオープン発行となり、表面利率は1.0%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度となる。

  新発20年債利回りは14日に一時0.90%と、昨年1月22日以来の低水準に達した。しかし、その後は売りが優勢となり、15日には0.995%まで急上昇する場面があった。昨年1月も長期金利が過去最低を更新した直後に相場が大幅下落した。

  野村証の松沢氏は、「昨年1月高値からの相場急落が、20年債入札の不振がきっかけとなったことを気にする向きもいる。今回のブルフラット化相場は同様な形で終えんすると考えているが、この入札が起点になる可能性は低いとみている」と指摘した。

  21日には欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を開き、政策金利を発表する。会合終了後にドラギECB総裁が記者会見を行う。

予想レンジと相場見通し

  市場参加者の今週の先物中心限月、新発10年物国債利回りの予想レンジと債券相場見通しは以下の通り。

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◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
先物3月物=149円25銭-149円65銭
新発10年物国債利回り=0.20-0.25%
  「冷静に考えれば付利0.10%で10年債利回りの0.19%はおかしい。もう一度0.2%を割れれば売りが出てくる。やり過ぎていたということだ。10年債の0.2%、20年債の0.9%が下限になる。20年債の1%付近では需要が見込まれる。0.9%での入札になることもないだろうから問題ないだろう。週末は売られたところで需要があることが分かった。まだ疑心暗鬼だが20年債が再び1%に近づけば投資家が買ってくる。5年債入札は材料にならないだろう」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物3月物=149円20銭-149円80銭
10年物国債利回り=0.15-0.24%
  「リスク回避の環境が継続するかどうかが相場を決めそう。ECBの金融政策理事会では現状維持が決まると見込む。5年債入札は利回りが低いものの、日銀もマイナス金利を容認してきている。日銀トレード需要などで入札自体はうまく行くと予想している。20年債入札では投資家の需要は強いだろう。来年度から発行額が減る一方、日銀は買い入れを増やしている。需給的に金利は下がる方向だ」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優投資情報部長
先物3月物=149円20銭-149円80銭
新発10年物国債利回り=0.19-0.24%
  「マーケットのリスク警戒モードがなかなか解けないので、長期金利は引き続き低位で推移するだろう。0.2%台前半中心の展開か。目先は金利を上昇させる材料は見当たらない。先週末発表の昨年12月の米小売売上高が前月から減少し、同月の製造業関連指標は悪化した。今週も3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、利上げの可能性を探る参考となるような指標が相次ぐ。ただ、結局のところ利上げを強くサポートするようなことにはならないとみている」
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