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住友商が大幅反落、ニッケル事業で減損-悪材料出尽くしならずと市場

  • 一時8.7%安-14年9月の減損損失発表時以来の下落率
  • 今後のキャッシュフローに影響する可能性も

住友商事の株価が一時前日比103.5円(8.7%)安と大幅反落。13日に2期連続の減損損失の計上を発表し、株価は前期の減損損失を発表した翌日の2014年9月30日以来の下落率となった。ニッケル事業での追加減損懸念や今期業績を未定としたことなどから、市場では悪材料出尽くしと判断することは難しいとの見方が出ている。

  同社のマダガスカルのニッケル事業では、市況低迷で今期(2016年3月期)決算で約770億円の減損損失が発生する見込み。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の永野雅幸シニアアナリストは13日付のリポートで、770億円でこの事業の減損が出尽くしたとは言いづらいと指摘。さらに、今期業績も未定としたことから結果が判明するまでは悪材料出尽くしとはならず、前期に続く大型減損の計上となり「信用格付けの観点も考慮すれば、投資や配当など今後のキャッシュフローに影響する可能性も否定できない」との見方を示した。

  減損を計上するのはニッケル鉱石の採掘から地金生産までを手掛ける世界最大級の一貫プロジェクト。年間生産能力はニッケル地金で6万トンと世界需要の約4%に相当。カナダの資源会社シェリット・インターナショナルと韓国鉱物資源公社(コレス)とともに事業展開している。

  住友商では20年時点のロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格を当初想定の1ポンド当たり10-11ドルから8.5ドルへと引き下げた。足元の価格は同3.8ドル。住友商がこのマダガスカルの事業への参加を決めた05年当時のニッケル価格は6ドルを超えており、10年以降は5ドル前後で推移すると想定していた。

LMEニッケル価格

  当初は13年初めのフル生産を目指していたが、製錬プラントの建設期間が長引くなど計画は遅延。資機材の高騰も加わり総事業費は当初計画の37億ドルから72億ドルへと膨らんだ。

  現在の操業率は生産能力に対して15年7-9月が85%、同10-12月も85-90%と安定してきているという。ただ、生産コストは4.2ドルと現在の市況を上回る。同社はコスト削減を進めることで3ドル台までの低下を見込むとしており、ニッケル鉱山の上位4分の1に入るよう競争力向上を目指している。

  14日の東京株式相場は大幅反落。伊藤忠商事三菱商事三井物産も前日比で4%以上の下落率をつけるなど商社株全般も大きく下げている。

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