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楽観論唱えたオバマ大統領、国民の不安とは食い違いも-一般教書演説

オバマ米大統領が12日夜に行った一般教書演説は、11月の大統領選挙をにらみ、自身がホワイトハウスを去った後も、与党民主党が政権の座を握り続けるよう狙いを定めた内容だった。

  恐怖心よりも希望に訴えかける姿勢はまさに、オバマ大統領の本領発揮であり、野党共和党陣営の間で支配的な悲観論への反論だ。同党大統領候補指名レースでトップを走るドナルド・トランプ氏が、イスラム教徒や移民を攻撃しているのに対し、大統領は米国の団結を呼び掛けた。経済的な公正を唱え、選挙戦で民主党に有利な環境整備にも配慮した。

  これが聞き慣れたレトリックに響くのは、オバマ氏の名前を全米に知らしめることになった2004年民主党全国大会での演説に盛り込まれた楽観的な基調、団結のビジョンを反映するものだからだ。

  だが、それは同時に、08年の初当選時のオバマ氏の約束がいかに実現せぬままとなっているかを鮮明に想起させるものでもある。オバマ氏は団結を約束したが、過去7年間に手にしたのは苦々しい党派的な対立だった。

  オバマ氏も、両党の悪意と疑心が解消とは反対に悪化の方向に向かったことが、自身の政権にとっての「幾つか後悔すべき点の一つ」だと認めた。

  共和党陣営は、大統領が演説でイランによる米海軍小型船舶の乗組員10人の拘束に言及しなかったことを批判した。トランプ氏との間で候補指名争いを繰り広げるテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)はツイッターで、「今夜の演説は一般教書というよりは、事実の否定というべきものだ」と酷評した。

  共和党側の手厳しい指摘には理由がある。オバマ大統領は、米国の「世界最強で、最も耐久性のある経済」をたたえてみせたが、一般の米国民はテロや中間層の賃金伸び悩みをめぐる懸念を拭えずにいる。CBSとニューヨーク・タイムズが今月7-10日実施した世論調査によれば、米国が誤った方向に向かっているとの回答が65%に達した。

  一方、オバマ政権の経済面の実績を明確にすることは、民主党候補が大統領選を展開していく上で不可欠な要素だ。候補指名争いを優位に進めているヒラリー・クリントン前国務長官は、自身がオバマ政権「3期目」を目指しているわけではないと強く主張するが、12日夜のツイッターで「大統領の指導力の結果、米国の状況は改善した。彼を友人と呼べるのは誇らしいことであり、大統領の業績を基に前進し続けよう」と記した。

原題:Obama’s State of the Union Optimism at Odds With Voter Anxiety(抜粋)

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