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通貨が世界の中銀の関心事に、経済に悪影響や妥当な政策の妨げにも

世界の中央銀行当局者らに共通する今年の関心事は、自国通貨の為替レートかもしれない。公言するしないにかかわらず、中銀は需要とインフレ押し上げの手段として自国通貨安に目を向けているようだ。

  中国は先週、人民元の下落を容認するような行動で世界の市場を動揺させた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先月、ユーロ相場は「物価安定と成長にとって重要」と発言。米国は先月に利上げに踏み切ったが、フィッシャー連邦準備制度理事会(FRB)副議長は2014年半ばからのドルの上昇が利上げ開始を遅らせていたと述べている。

Dollar Drives the Fed

  ウニクレディト銀行の世界チーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は10日のリポートで「世界の多くの中銀が事実上、為替レートを政策の目標にした」と指摘。自国通貨安がもたらす恩恵は競争相手国の減速によって結局は相殺されるため、これは世界経済に悪影響を与える恐れがあると分析した。

  一方、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジー世界責任者、マーク・チャンドラー氏は「中銀が国内経済を再膨張させるために金融を緩和して通貨が下落するたびに、これを近隣窮乏化政策だと批判するのは公正ではない」とし、利下げは「内需喚起に役立ち、その一部は海外のモノやサービスへの需要になる」と解説した。

  HSBCホールディングスによると、金利見通しに対する為替トレーダーらの感応度はここ15年で最高。これは、引き締めを実施しようとする中銀が自国通貨高、ひいてはインフレ低下圧力に見舞われるということだ。米国の場合、これによって今年の利上げは当局者らが考えている4回ではなく、2回にとどまる公算があるとHSBCはみている。

  「金融政策の正常化が軌道に乗るには、主要国・地域が足並みをそろえて引き締められるようになるのを待つ必要があるかもしれない」と、デービッド・ブルーム氏らHSBCのストラテジストは先週のリポートに記述。「為替相場は、この先の金利の妥当な道筋の障害になるだろう」と指摘した。

原題:Central Bankers Rattle Currency Sabers to Keep FX Rates Weak(抜粋)

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