年始からの連続株安で日本株投資家のマインドが急激に悪化する中でも、ゴールドマン・サックス証券ではコーポレートガバナンス(企業統治)改革の進展などを理由に日本株に対する強気姿勢を変えていない。

  ゴールドマン証のチーフ日本株ストラテジスト、キャシー・松井氏らは12日付のリポートで、日本企業の株主重視傾向の高まりと政策保有解消の促進を背景に2015年度の5.9兆円に続き、16年度も7.5兆円の自社株買いが見込めると指摘した。コーポレートガバナンスの向上が市場を後押しする一因となり、TOPIXは1800に達すると予想する。

  TOPIXは12日まで6日続落し、ことしの下落率は9.4%に達した。東京証券取引所によると、TOPIXの6日続落は1969年の指数算出開始以降で初めて。前身の指数時代を含む49年の東証再開以降でも初のケースとなった。

  同リポートでは、16年の幕開けは大発会から大荒れでスタートしたが、同社の日本株に対する強気スタンスには変更がないと言及。日本企業の株主還元総額は14年度に14.3兆円(配当10兆円、自社株買い4.3兆円)と過去最高だったとし、日本の構造改革の進展は「目に見える以上に進展している」と評価した。

  コーポレートガバナンス改革の進展で企業の潤沢なキャッシュに注目が集まり、株主還元が増加してきたが、「今後は株主重視の動きだけでなく、持ち合い株式を吸収する必要からさらに自社株買いが増加する」と同証ではみている。同証が選定し、対セクターで高い株主還元実績がある50銘柄で構成する株主還元バスケットは、14年11月の導入からことし1月5日までにTOPIXを12%アウトパフォームしている。

  東証が7日に発表した2015年(1月5日-12月30日)の日本株市場の投資部門別売買動向によれば、自社株買いなどを反映する事業法人は5年連続で買い越し、買越額は2兆9632億円と9年ぶりに過去最高を更新した。12日のTOPIXは前週末比3.1%安の1401.95と終値で昨年9月29日以来、約3カ月ぶりの安値を付けた。

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