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アジア各国中銀が想定外の金融緩和も-人民元下落で市場動揺

  • BNPパリバはシンガポール・ドル変動幅拡大のリスクを見込む
  • 豪州と台湾、インドは利下げで対応も-RBS

中国人民元の下落に伴い今年に入って生じている金融市場の激しい変動で、シンガポールからオーストラリアに至る多くのアジアの中央銀行が金融緩和に追い込まれるとの観測が広がっている。

  BNPパリバのアジア太平洋担当外為・金利戦略責任者ミルザ・バイグ氏によれば、シンガポール通貨庁(MAS、中銀に相当)は主要貿易相手・競争国の通貨が「極端に不安定」になれば、シンガポール・ドルの許容変幅を拡大する可能性がある。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のシニア市場ストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は豪州と台湾、インドの中銀は利下げで対応する公算が最も大きいと述べた。

Yuan's Slide Roiling FX Markets

  中国人民銀行(中銀)が先週、毎営業日設定する人民元の中心レートを市場の予想以上に大きく引き下げたことで、中国の景気減速が一段と進んでいるとの懸念が強まり、世界の市場で混乱が拡大した。1年前、スイス国立銀行(中銀)が3年続けていたスイス・フランの対ユーロ上限を突然撤廃したことから、為替市場は動揺。カナダやシンガポールなどの中銀が予想外の金融緩和に踏み切った。

  シンガポール在勤のバイグ氏は「人民元下落が明らかに大きな金融ショックを生み出している。われわれの予想に盛り込みはしないが、人民元が一段と自由に変動し、不安定な通貨になるということも想定している1つの点だ。その後、各国・地域の中銀もより自由放任的なアプローチを採用する可能性がある」と語った。

  今年すでにベトナム国家銀行(中銀)が毎営業日行う通貨ドンの対ドル中心レート設定を一段と市場実勢重視の手法に変更している。ベイグ氏は「市場における日々の変動に一層沿ったものにするため、今や通貨制度の変更を余儀なくされている」と指摘。BNPパリバはMASが金融政策を維持すると見込んでいるものの、「金融市場のボラティリティの高止まりに対応」してシンガポール・ドルの変動幅を拡大するリスクがあるとの見方を同氏は示した。

原題:Yuan Jolt May Prompt Looser Policies From Australia to Singapore(抜粋)

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