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中国は消費者物価安定で一段の景気刺激策の実施余地

更新日時
  • 2015年のCPI上昇率は政府目標の約半分にとどまる
  • PPIは昨年12月に3年10カ月連続の前年水準割れ

中国の2015年の消費者物価指数(CPI)上昇率は政府目標の約半分にとどまり、政策当局者は低迷する経済成長を支援するため景気刺激策を実施する余地が拡大している。

  15年全体のCPI上昇率は前年比で1.4%上昇。15年のCPIは8月に前年同月比で2%上昇したのが最高だった。

  国家統計局が9日発表した昨年12月のCPIは前年同月比1.6%上昇し、ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値(1.6%上昇)と一致した。11月は1.5%上昇。12月の生産者物価指数(PPI)は5カ月連続の前年同月比5.9%低下。PPIの前年水準割れは3年10カ月連続。
市場予想は5.8%低下だった。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのエコノミスト、トム・オーリック氏はリポートで、「CPIは15年の政府目標である3%上昇を引き続きかなり下回っており、16年にかけても低水準となる方向だ」と指摘。「それは一段の緩和の理由や良い機会となる」と述べた。

  中国株安と人民元相場の下落が世界の金融市場を混乱させる中で、同国経済の弱さを示す新たな兆候は政策当局者にとって歓迎できないシグナルだ。

  12月は食品価格が前年同月比2.7%上昇し、CPIを若干押し上げる要因となった。食品以外は1.1%上昇だった。

  オーリック氏は中国人民銀行(中央銀行)が借り入れコスト引き下げのため、今年2度の利下げを実施し、政策金利の下げ幅が合計0.5ポイントになると予想する。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏経済担当責任者、劉利剛氏は統計発表後のリポートで、「デフレ圧力が引き続き高まっており、一段の金融緩和が必要だ」と述べ、人民銀が預金準備率の引き下げを今四半期から開始し、16年中の下げ幅が2ポイントになると予想している。

  人民銀は昨年10月に大手銀行向けの預金準備率を17.5%に引き下げ、1年物貸出基準金利も4.35%に設定した。

  コメルツ銀行の周浩エコノミスト(シンガポール在勤)は「インフレ統計が引き続き弱い」と指摘。「PPIの低下が続いていることは、多くの産業の拡大が損失増加につながるだけで、中国企業の債務削減の必要性を示している」と述べた。

原題:China’s Stabilizing Consumer Prices Leave More Room for Stimulus(抜粋)

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