コンテンツにスキップする

1月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、雇用の伸びが当局の利上げ計画を支持

8日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。米雇用者数の伸 びが市場予想を上回り、金融当局の年内の利上げシナリオを支持してい るとの見方が広がった。

ドル指数は一時、約10年ぶりの高い水準を付けたが、その後上げ幅 を縮めた。12月の雇用統計では雇用者数は大きく増えたが、賃金の伸び が予想を下回った。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを 引き上げたほか、政府系の資金が株式市場に投じられ、市場の混乱が和 らいだことも手掛かりにドルは買われた。

サクソバンクの通貨戦略責任者のジョン・ハーディー氏は「雇用統 計は非農業部門雇用者数の伸びがあっさり市場予想を上回るなど非常に 力強い内容で、市場の焦点をドルと年内見込まれる米利上げに引き戻し た」と述べた。

年初以降、中国経済の減速が世界の成長を妨げるとの懸念がドルの 動きを抑えている。中国当局による元下落容認は、当局が成長回復に苦 慮していることの表れと捉えられている。中国の混乱は円には大きくプ ラスに働いている。安全資産を求める買いが入り、対ドルで今週3%近 く上昇した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.1%高 の1ユーロ=1.0922ドル。対円では0.4%下げて1ドル=117円26銭。主 要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指 数は0.3%上げて1240.22。同指数は過去10営業日中、9日間で上昇して いる。

米労働省が8日発表した12月の非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)は前月比29万2000人増。ブルームバーグが実施したエコ ノミスト調査での最も多い予想も上回った。前月は25万2000人増に上方 修正された。失業率は5%で前月から横ばい。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は「統計の数字は明るい内容だったが、中国 や世界の経済情勢をめぐる現在の不透明感を相殺するだけの力強さがあ ったかは不明だ」と指摘。「これも、雇用統計に対するドルの反応がや や抑えられている理由の一つだ」と述べた。

雇用主が積極的に従業員を増やし続ける一方、賃金の面では依然と して持続的な伸びが見られていない。12月の平均時給は前月比変わら ず。前年比では2.5%増。市場予想の中央値では前年比2.7%増だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の12月会合の議事録では、中国 が「経済で起きている循環的および構造的な変化の舵取りに苦労する可 能性がある」と、政策当局者らが懸念していることが示された。

原題:Dollar Rises as Above-Forecast Jobs Growth Backs Fed Rate Plans(抜粋) Dollar Rises as Above-Forecast Jobs Growth Backs Fed Rate Plans

◎米国株:3日続落、年初5日間では記録開始以来の大幅安

8日の米国株式相場は続落。取引終盤に売りが強まり、主要株価指 数は週間ベースで約4年ぶりの大幅安となった。中国が市場安定化に取 り組んだほか、米雇用統計では労働市場の回復が示されたものの、市場 に安心感は広がらなかった。

終盤の下げが目立ったのは銀行株で、JPモルガン・チェースやシ ティグループが大きく下落。S&P500種株価指数のエネルギー株 は1.3%安と、5年ぶり安値。週間では同株価指数の業種別10指数中、 7指数が5.5%以上値下がりした。S&P500種は年明け5日間のパフォ ーマンスとしては1928年までさかのぼれるデータ史上最悪となった。

S&P500種株価指数は前日比1.1%安い1922.03。週間では6%下 落。ダウ工業株30種平均は前日比167.65ドル(1%)下落の16346.45ド ル。週間では1000ドル超値下がりし、過去最悪の滑り出しとなった。ナ スダック総合指数は前日比1%値下がりし、2011年以来最長の7営業日 続落。

アドバイザーズ・アセット・マネジメント(ペンシルベニア州コン ショホッケン)のファンドマネジャー、ジーン・ペロニ氏は「けん引役 が存在せず、日中を通して何度か上値をトライしても上昇を維持できな かったため、週末前に不安になった」と指摘。「市場はここのところニ ュースにかなり敏感に反応してきたため、様子見姿勢で、この週末にど うなるか見極める動きだ。荒っぽい1週間だった」と述べた。

米労働省が発表した12月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節 調整済み)は前月比29万2000人増。前月は25万2000人増に上方修正され た(速報値21万1000人増)。家計調査に基づく12月の失業率は5%で、 7年ぶり低水準を維持した。

中国当局は人民元の中心レートを引き上げたほか、株式サーキット ブレーカー制度を停止した。同制度が今週初めに導入されて以降、2回 にわたり株式売買が停止されていた。

アルパイン・ファンズのファンドマネジャー、マーク・スペルマン 氏は「リスク回避のセンチメントが続いている」と指摘。「この先リス ク選好のセンチメントになったとしても、世界の経済成長が改善しない 限り長続きしないだろう。今は市場に参加する好機ではない」と述べ た。

米金融当局は先行きの利上げ軌道を誘導するのは経済指標の進展次 第になるとの見解を強調している。雇用統計では、平均時給の前年比で の伸びが市場予想を下回った。当局は労働市場の引き締まりが賃金とイ ンフレの上昇につながると期待している。

パリセード・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者 (CIO)として37億ドルの運用に携わるダン・ベルー氏は雇用統計に ついて、「根底にある勢いが減速しているのではなく、加速しているこ とを反映している」と指摘。「賃金のインフレは見られず、コモディテ ィのインフレも見られない」とし、こうした両方の要因がある場合、金 融当局が利上げを見送る動機になると話した。

この日はS&P500種の業種別10指数すべてが下落。金融とヘルス ケア、エネルギー株の下げがきつかった。

メルクを中心にヘルスケア株指数は下落。同指数は過去7営業日で 6日目の下落となり、昨年10月22日以来の安値をつけた。マイランやエ ンドー・インターナショナルが大きく値下がり。ナスダック・バイオテ クノロジー指数は1.9%下げた。

銀行株の指数は週間ベースで9.5%安と、約4年ぶりの大幅下落。 JPモルガンやシティグループ、バンク・オブ・アメリカが週間で大き く下げた。

ギャップは14%安と、2011年以来の急落。昨年12月の既存店売上高 が減少した。

原題:U.S. Stocks Tumble, Cap Worst Five-Day Start to Year on Record (抜粋)

◎米国債:上昇、週間では10月以来の大幅高-逃避需要で

8日の米国債は上昇。週間ベースでは10月以来の大幅高となった。 株など比較的リスクが高いと思われる資産への信頼感が揺らいだことが 国債の買いにつながった。

10年債利回りは約2か月ぶりの低水準をつけ、米金融政策当局が利 上げを決定した12月16日の水準を下回った。

ブラックロックの債券担当チーフ投資ストラテジスト、ジェフリ ー・ローゼンバーグ氏は「万事うまくいくというシナリオには説得力が ない」と述べ、「中国や商品、信用をめぐる懸念がもっと大きな問題と なれば、利回りが著しく上昇することはないだろう」と続けた。

8日は長期債が上昇した。米労働省が8日発表した12月の非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比29万2000人増。ブル ームバーグが実施したエコノミスト調査での最も多い予想も上回った。 ただ、12月の平均時給は前月比変わらずと、市場予想を下回った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.12%。同年債(表面利率2.25%、2025年11月償還) の価格は1/4上げて101 5/32。週間ベースで利回りは0.15ポイントと、 昨年10月初旬以来で最大の下げ。

2年債と10年債の利回り格差は1.18ポイントと、2012年7月以来で 最小だった。

年初来の米国債は0.9%高、米国株安からの逃避先となった。特に 中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを引き下げたことを受 けて市場は混乱した。

デリバティブ市場では今年の米利上げ回数は2回程度として織り込 まれている。金利デリバティブのトレーダーは2016年末の実効フェデラ ルファンド(FF)金利は約0.8%とみている。連邦公開市場委員会 (FOMC)当局者が示した同FF金利予測値は中央値で1.375%とな っている。

原題:Treasuries Poised for Weekly Advance as Haven Demand Resurfaces(抜粋)

◎NY金:6営業日ぶり下落、中国の市場安定への取り組みで

8日のニューヨーク金先物相場は6営業日ぶりに下落。堅調な米雇 用統計や中国当局が株価の安定化に動いたことを背景に、逃避需要が減 退した。

ABNアムロ・バンクのアナリスト、ジョルジェット・ブーレ氏は 「中国市場の落ち着きと人民元の安定を受けて、金ロングでの利益確定 の動きが出た」と電子メールで指摘した。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日 比0.9%安の1オンス=1097.90ドルで終了。過去5営業日には4.5%高 と、昨年1月以来の大幅上昇となっていた。週間では3.6%高。

銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ とパラジウムは上昇した。

原題:Gold Falls First Time in Six Sessions as China Calms Markets(抜粋)

◎NY原油:12年ぶり安値、中国市場の変動で需要への影響警戒

8日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は5日続落し、12年ぶり安値。中国市場の激し い変動が、最大のエネルギー消費国である同国での需要の抑制につなが るとの懸念が広がった。米雇用統計を受けて一時は大きく値を戻す場面 もあった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取 材に対し、「雇用統計を受けて大きく戻す場面もあったが、原油には需 要と供給の両面において大量の悪材料がある」と指摘。「供給サイドで は、主要生産国が市場シェア争奪戦を展開している。需要サイドでは中 国や近隣国への不安が主な懸念材料だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日 比11セント(0.33%)安い1バレル=33.16ドルで引けた。終値ベース で2004年2月以来の安値。週間では10%の値下がり。

原題:Oil Drops to 12-Year Low as China Volatility Stays in Focus(抜粋)

◎欧州株:大幅安-荒い値動きの中、エネルギー株に売り

8日の欧州株式相場は大幅下落。米雇用統計が予想を上回る内容だ ったものの支援材料とはならず、荒い値動きの中でエネルギー銘柄が売 られた。指標のストックス欧州600指数は週間ベースで2011年8月以来 の大幅安となった。

ストックス600指数は前日比1.5%安の341.35で終了。この日は方向 感のない取引に終始した。中国当局が市場安定措置を講じたことから、 寄り付き後に上昇したものの、その後下げに転じた。米雇用統計を手掛 かりに一時0.9%高となる場面もあった。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「ボラティリティが常に伴う状況は続く」とし、「早い時間帯 に中国に反応したが、それも弱まった。全体像には依然として不透明感 がある。商品価格のほか、中国政府が状況をコントロールしているかが 2つの主たるリスクだ」と語った。

ストックス600指数は前週末比では6.7%値下がり。中国当局が人民 元の中心レートを引き下げたことで、同国景気が想定以上に減速してい るとの懸念が強まった。ユーロ・ストックス50指数の急落に備えた保険 の役割をするオプションの指標、Vstoxx指数は今週、昨年4月以 来の大幅上昇となった。

ドイツのDAX指数は一時の上げを消して1.3%下落。前日に昨 年10月以来の1万割れとなった。週間ベースの下げは8.3%と11年以来 の大幅安で、ギリシャを含む西欧市場の主要株価指数の中で最もきつい 値下がり。

個別銘柄では、英BP、フランスのトタル、英蘭系ロイヤル・ダッ チ・シェルなどの石油株が安い。業種別19指数の中で、エネルギー銘柄 が最も下げ、09年以来の安値を付けた。原油安を背景に、週間ベースで は11年以来の大きな下げとなった。

原題:European Stocks Fall, Capping Worst Week Since 2011 as Oil Drops(抜粋)

◎欧州債:総じて上昇-ドイツ国債は週間では1カ月ぶり大幅上昇

欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇。年明け以降、堅 調な滑り出しとなった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債は週間ベースで1カ月ぶりの大 幅上昇。インフレが予想を下回る伸びだったほか、原油が値下がりし、 中国市場の混乱と中東情勢で国債需要が高まったことが背景にある。

8日の取引ではスペインからイタリア、ドイツに至る国債が上げ幅 を拡大。この日発表された昨年12月の米雇用統計で賃金の伸びが予想を 下回り、雇用者数増加のインパクトを弱めた。ドイツ国債利回りは前日 に付けた1カ月ぶり低水準をやや上回る水準にとどまった。同日に は120億ユーロ相当の債券が発行された。

BNPパリバ(パリ)のシニア債券ストラテジスト、パトリック・ ジャック氏は「今週の相場は主に2つの要因に左右された。リスクオフ のムードと原油価格だ」と指摘。「欧州の国債にとって好調なスタート だ」とし、少なくともドイツやフランスなどの中核国にとってはそうだ と語った。

ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の0.51%で終了。前週末比では12bp下げた。7日に は0.48%と、先月3日以来の低水準に達した。同国債(表面利率 1%、2025年8月償還)価格はこの日、0.235上げ104.535。

同年限のイタリア国債利回りは3bp低下の1.53%、スペイン国債 利回りも3bp下げ1.71%となった。

原題:Europe’s Bonds Start 2016 on a Roll as Bulls See Slow Inflation(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE