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【日本株週間展望】底値模索、中国リスクくすぶる-売られ過ぎ感支え

1月2週(12-15日)の日本株は、当面の底値を模索する展開となりそうだ。人民元切り下げや株式市場の取引停止で高まった中国市場への警戒感がくすぶっている。利上げ後の米国経済に対する不安、中東情勢など地政学リスクや原油価格の下落傾向も相場の重し。一方、大発会以来の連続安で売られ過ぎ感が強まっている上、株安が続けば、政策発動への期待感も浮上する。

  第1週の日経平均株価は週間で7%安の1万7697円96銭と反落。下落率は昨年9月1週以来の大きさとなった。米国や中国経済統計の悪化で世界景気の減速懸念が広がり、中国人民銀行による人民元中心レートの引き下げ、サーキットブレーカー発動による中国株の取引停止でリスク回避の動きが加速。8日は人民元レートが9営業日ぶりに引き上げられたが、投資家の不安心理は根強く、過去最長となる大発会からの5日連続安を記録した。ドル・円は一時1ドル=117円33銭と昨年8月以来の円高水準に振れ、ニューヨーク原油先物は12年ぶり安値を付けた。

  第2週は、米国で15日に昨年12月の小売売上高や鉱工業生産が公表予定、11日のアルコアを皮切りに米主要企業の決算発表も始まる。米小売売上高の市場予想は前月比0.1%増、前の月は0.2%増だった。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、米国の内需は堅調だが、これまでのドル高で「米国の製造業は既にリセッション的な状況に入ってきた」と分析。利上げを続ければ、「景気後退確率は徐々に上昇してくる」との見方を示す。統計を受けた市場心理の行方に注視が必要だ。

  中国では13日に12月の貿易収支が発表される。市場予想は輸出が前年比8%減、輸入は11%減。人民元安誘導で中国からの資金流出やアジア経済全体への悪影響も懸念され始めており、統計が予想を下回れば、こうした負のスパイラルが市場でさらに意識される。ただし、年始からの下げで日経平均の短中期移動平均線からの乖離(かいり)は売られ過ぎを示すマイナス5%以上にあり、足下の円高傾向についてシティグループ証券の飯塚尚己株式ストラテジストは、日本株の大きなリスクとした一方、28-29日の会合で日本銀行が追加緩和に踏み切る可能性が高まっているとも考えられる、と指摘した。

≪市場関係者の見方≫
●みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジスト
  日本固有の材料で上下することはなく、海外要因に左右される。中国は人民元安を止めたが、オフショアとオンショアレートはまだ乖離している。元安の懸念は中国から資金が抜けていくことにあり、グローバルに不安視されている。米国の利上げで新興国に資金の変化が起きやすい中、中国の変化を意識せざるを得ない。米国では利上げ後の経済指標が雇用を除けば良くない。米経済は内需が大事で、小売企業など消費関連の企業決算に注目している。

●富国生命保険の山田一郎株式部長
  中国当局の出方次第だ。日本株の震源地は中国。昨年8月の急落時は株の下落を止めるために対策を出したが、今回はそれではだめで、財政出動などはっきりしたものを市場は催促している。有効な手立てが講じられる、あるいは期待感が出てくれば、かなりショートがたまっているので戻ろう。ただし、あくまでショートカバーであり、16年の相場の方向としては厳しいとみていて、世の中に楽観的な人もいなくなってきた。

●野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト
  中国は昨年ごろから市場との対話を始めたが、うまく機能していない。人民元も上海株も市場としては未成熟で、政策当局の試行錯誤が続いている。市場には中国経済への不信感があり、政策面での対策が大切だ。足元で円高・株安が連動している。円高が長続きすると、日本企業の業績下方修正に対する懸念は出やすくなる。一方、日銀も日本経済の回復の腰を折るわけにはいかず、アクションを起こすことになろう。一部では既に期待感が出始めている。

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