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タカタ、事故後に身を守る技術から予防安全に-16年後半にも投入へ

  • 運転者監視技術など複数技術を開発、すでに受注も
  • 運転席での安全技術に特化、エアバッグ問題からの立ち直りの一助に

大規模リコール問題を抱えるエアバッグメーカーのタカタが、新たな運転支援技術の開発を進めている。これまで事故後に乗員の安全を確保するシートベルトやエアバッグなどを手掛けてきたが、事故を未然に防ぐ予防安全技術の投入を目指している。

  タカタが開発しているのは、運転者の状態を監視して注意喚起や危険回避をするなど複数の予防安全技術で、運転者監視装置は2017年に生産を開始する。既に複数の自動車メーカーが採用を表明しているという。タカタ米国法人でエレクトロニクス事業を担当するバイス・プレジデントのカーク・モリス氏がインタビューに語った。

  モリス氏は自動運転技術の普及につれ、こうした予防安全のニーズは高まるという見解を示した上で、「私たちのビジネスの原点はイノベーションであり、先端技術の開発者であり続けたい」と語った。これらの技術は1月に米ラスベガスで開催のCES(家電見本市)に出展。

  アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは「タカタの新技術が本当に信頼できるもので、新たな分野で一定の販売が期待できるのであれば、リコール問題から立ち直る一助になるだろう」とコメントした。タカタ製エアバッグの異常破裂問題では9人の死亡との関連性が指摘されており、不具合の原因究明が進められている。原因が特定された段階で自動車メーカーが暫定的に負担している予防的リコールの費用分担や、米国などで提起されている損害賠償訴訟で費用負担が生じる可能性がある。

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  自動運転・安全技術をめぐっては、自動車メーカーや部品・電機メーカーが相次ぎ参入する中、タカタは運転席での技術に特化したのが大きな特徴だ。モリス氏は「タカタはもともと運転席や車内での安全技術に長けていた」と述べた上で、約2年前に競争の激しい車の外部環境を監視するシステムから、車内での技術開発に投資を切り替えたと語った。

  新技術の目玉の一つである運転者監視システムは、カメラで運転者の頭の位置や向きに加えて視線を監視する。顔が前を向いていても視線が前方の道路確認を怠っている場合は注意を喚起する。今後は眠気に襲われていたり、休憩が必要だったりする状態であるかどうかも分かるようになる見込みだ。17年の生産開始後、初年度は1万台程度の車に搭載し、その後は拡大を計画している。

  15年度上半期の売上高の約17%を占めるステアリングホイール(ハンドル部分)では、センサーを用いて運転者が車をコントロールできているかを把握する技術を開発している。大幅な需要拡大が見込まれる運転支援システムに必要となる技術で、16年後半から17年にかけて投入する。モリス氏によると、欧州メーカーを含め初年度は6万台で搭載予定。

  タカタのエアバッグ問題で代替インフレータ(膨張装置)を供給する米TRWオートモーティブや、スウェーデンのオートリブは、レーダーを使ってブレーキやハンドル操作をコントロールする技術の開発を進めており、タカタの運転席に特化した技術とは別分野となっている。一方、運転者監視システムは米ゼネラル・モーターズ(GM)内に設立された部品グループを母体とする米デルファイ・オートモーティブや、アイシン精機などと競合する可能性がある。

  タカタは売上高の4%程度を研究開発に投資してきており、15年度は前年度比19%増の290億円を計画している。

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