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NY外為:ドル下落、中国の市場混乱が米利上げ見通しに重し

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7日のニューヨーク外国為替市場ではドルが1カ月で最大の下げとなった。中国の株式・為替市場の混乱が米国の利上げ見通しに重しとなった。

  ドルは対円でほぼ1年ぶりの安値を付けた。中国株式市場ではこの日、CSI300指数が前日比7%安となった時点で取引が停止された。売買停止となるのは過去4日間で2回目。また中国の外貨準備高は12月に市場予想を上回る減少となり、年間ベースで初めて前年割れとなった。これを受け、中国当局が人民元押し上げのためドルを売っているとの観測が広がった。期間が短めの米国債の利回りは低下。金利先物データによれば、4月までに利上げが実施される確率は43%として織り込まれており、12月31日時点の56%から低下している。

  米金融当局が中国の混乱を振り切り、予測通りに年内に4回の利上げを実施できるのか、市場は疑問を抱き始めている。連邦公開市場委員会(FOMC)12月会合の議事録では、政策当局は利上げのタイミングと大きさを検討する上で、「国際情勢」を精査することが示された。昨年8、9月における中国をはじめとする新興市場の混乱は、米当局が12月まで利上げしなかった理由の一つだった。

  エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプレジデント、クリス・ギャフニー氏は「昨年8月の状況の再現だ」とし、「米金融当局は世界の成長を注視しており、次の利上げのタイミングという点で影響してくる。金融市場には既に影響が見られる」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.4%下げて1237.09。12月9日以来の大幅な下落率となった。下落は9営業日ぶり。

  円は対ドルで0.7%高の1ドル=117円67銭。終値ベースで2月5日以来の高値となった。

  中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元の中心レートを2011年3月以来の水準に引き下げた。これを受け、中国株は売りが続いた。

  ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンドの運用に携わるビル・グロース氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、米金融当局がこうした状況に対応して利上げを1回にとどめると明言することはないとした一方、今後の政策を検討する上で世界の市場や金融情勢の重要性に留意する可能性はあると述べた。

  リッチモンド連銀のラッカー総裁は、中国の減速で米国に余波が及ぶ可能性はあるとの認識を示した。

  富豪のジョージ・ソロス氏は、スリランカのコロンボで開かれた経済フォーラムで7日、「中国は調整に関して大きな問題に直面している。私に言わせれば危機と呼んでいいものだ」と指摘。人民元の問題を世界中に飛び火させていると分析した。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの為替ストラテジスト、イアン・ゴードン氏は「米金融当局は利上げの継続を考える中で、深刻なリスクオフが起きることに敏感になるだろう」と指摘。「当局が対応せざるを得ないような状況には至っていないが、金融市場で影響が根強く続き、昨年の夏に見られた水準に戻るようなことになれば、当局は極めて慎重になるだろう」と分析した。

原題:Dollar Falls Most in One Month as China Damps U.S. Rate Outlook(抜粋)

(第1段落を書き換え、7段落以降を追加し更新します.)
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