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米国株:3カ月ぶり安値、ダウ392ドル安-中国発の世界株安続く

更新日時
  • ソロス氏:世界の市場は2008年のような危機に直面
  • 時価総額2.5兆ドルが消失、年初来の世界市場で

  7日の米株式相場は大幅続落し、3カ月ぶり安値を更新。ダウ工業株30種平均の下げ幅は390ドルを超えた。2日間の下げとしては昨年8月以降で最大。中国発の混乱が引き続き世界市場を不安の渦に巻き込んでいる。

  銀行株やハイテク銘柄が下げの中心となった。シティグループやアップルが大幅安。ヤフーは6.2%下落し、昨年5月以来の大幅安。ボーイングやゼネラル・エレクトリック(GE)も安い。S&P500種株価指数のエネルギー株指数は5年ぶりの低水準に下げた。

  S&P500種株価指数は前日比2.4%安い1943.09で終了。昨年10月1日以来の安値となった。年明け以降の4営業日では、データがさかのぼれる1928年以降で最悪の滑り出し。ダウ工業株30種平均は前日比392.41ドル(2.3%)安の16514.10ドルで終えた。週初からの下げ幅は900ドルを超えた。ナスダック総合指数は3%安。米証券取引所全体の出来高は約100億株と、3カ月平均を42%上回った。

  ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシズのグローバル市場ストラテジスト、ユーセフ・アッバシ氏は「人民元の中心レート引き下げで、世界の成長エンジンである中国経済が減速し始めているとの懸念が急速に強まった。これで値がさ株のほか、リスク資産とみなされるものは何でも投げ売りされている。成長が懸念され始めれば、原油も下げ、全てが相互に関係している。新年早々、市場参加者は戸惑うばかりで、押し目買いを入れる用意はない」と述べた。

S&P 500 Retracing Rebound From August Selloff

  6日の中国株式市場ではCSI300指数の下落率が7%を超え、今週に入り2回目のサーキットブレーカーが発動。取引開始後30分未満で終日の取引が停止となり、世界的な株安となった。中国証券監督管理委員会(証監会)はその後、年初に導入されたばかりのサーキットブレーカー制度を一時停止した。

  中国人民銀行が人民元の中心レートを8営業日連続で引き下げたこともあり、年明け最初の週にリスク資産から逃避の動きが起こり、世界の株式市場では時価総額にして2兆5000億ドルが吹き飛んだ。中国の元安容認は当局が景気浮揚に苦慮している証左と受け止められている。中国はエネルギーと金属、穀物の消費国として世界最大。

  中国当局のこの動きにより、昨夏に金融市場を混乱に陥れた不安が再燃。前日には商品関連銘柄を中心に売られ、S&P500種はに3カ月ぶり安値に沈んだ。この日は富豪ジョージ・ソロス氏の発言で市場の不安はさらに強まった。同氏はスリランカのコロンボで開かれた経済フォーラムで、世界の市場は危機に直面しており、投資家は大いに用心する必要があると警告した。

  商品関連株の下げが続いた。フリーポート・マクモランやアルコアが大幅安。ニューヨーク原油先物相場は5%超の下げを埋める場面もあったが、結局は2.1%下げて終えた。前日に急落したアナダルコ・ペトロリアムとシェブロンはこの日も下げた。

  人民元の下落は中国の弱い輸出セクターの支援材料となるが、同国の外貨建ての借り手にとってリスクを高めることにもなり、中国経済の減速が統計が示す以上に深刻であるとの憶測を強める。

  2015年第4四半期の決算発表が近く始まる。アルコアやJPモルガン・チェース、インテルが来週に決算を発表する予定。S&P500種採用銘柄のアナリスト利益予想は6.1%減となっている。

  BGCパートナーズの市場ストラテジスト、マイケル・イングラム氏は「市場は現実から目を背けていきた。もっと大きな問題は成長の勢いが世界のほぼ全域で弱いことだ。中国の今年の動向は今後5年間の市場動向を形成する」と指摘した。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は21%上昇の24.99と、9月29日以来の高水準。今月に入ってからは37%上昇し、このままいけば過去最大の135%上昇を記録した昨年8月以降で最大の伸びとなる。

  米金融当局が先月、ほぼ10年ぶりの利上げに踏み切って以降、S&P500種は6.3%下落している。昨年は中国が8月に通貨切り下げに踏み切って以降の混乱が一因となり、米当局は9月に利上げを見送った。S&P500種は今年の年初以降の軟調で、5月に付けた最高値を8.8%下回っている。11月には最高値まであと1%未満に迫っていた。

  リッチモンド連銀のラッカー総裁は7日、利上げペースは緩やかなものになると述べたが、経済見通し次第であるとの認識を示した。シカゴ連銀のエバンス総裁はインフレに関して他の米金融当局者ほど楽観していないと言明。米当局は2016年の利上げに対して特に慎重なアプローチを取るべきだとする理由を説明した。

  S&P500種のセクター別10指数はすべて下落。金融と資本財サービス、情報技術の下げが目立った。公益事業の下げは0.8%未満にとどまった。

  KBW銀行指数は3.3%下落。6日続落と、2012年以降で最長の下落局面となった。キャピタル・ワン・ファイナンシャルやステート・ストリートが約2年ぶり安値。JPモルガン・チェースは4%下落し、4カ月ぶりの大幅安となった。

  前日に数少ない明るい分野だった航空株はこの日、大きく下げた。ブルームバーグの米航空株指数は昨年10月8日以来の低水準。ダウ輸送株平均は3.1%下げ、約2年ぶりの低水準。

  住宅建設株は続落。業績がアナリスト予想を下回ったKBホームは15%下げ、ほぼ1年ぶりの大幅安。

  一方、メーシーズは2.1%高。コスト削減策などを発表した。前年に29%下げていたウォルマート・ストアーズは2.3%高となり、回復基調を維持した。

原題:U.S. Equities Fall as China Turmoil Sparks Global Stocks Selloff(抜粋)

(第2段落と第5段落以降を追加し、更新します.)
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