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「夜逃げしたいくらい」との嘆きも、低迷する金属価格に鉱業協会会長

  • 銅価下落は投機的な動きの影響大きい、今年1年で見れば価格回復へ
  • 需給引き締まれば銅価6000ドル超へのⅤ字回復の期待感も

「相場が急落すると私も含めて夜逃げしたいくらいの気持ちになってくる」。日本鉱業協会が6日、都内で開催した新年賀詞交歓会。会長を務めるJX金属の大井滋社長は低迷が続く銅などの資源価格に関して、この日集まった海外で鉱山開発を手掛ける企業関係者の心情を代弁した。

  大井氏は「一昨年から金属価格は下落傾向が継続しており、足元もなかなか回復の兆しを見せない大変深刻な状況」と指摘。JX金属はチリで銅鉱山の開発を手掛ける。昨年の鉱業協会の会見でも銅価格が1トン当たり5000ドル以下では赤字操業に陥る鉱山も多いと説明してきた。

LME銅先物価格

  そのロンドン金属取引所の銅先物価格は昨年11月以降、1トン当たり5000ドルを下回ったまま。世界最大の銅消費国である中国の景気減速が懸念されているが、鉄道や発電所などのインフラ向けに使用される銅の消費量はしっかりしているという。「現在の銅価格が下がっているのはほとんど投機の影響」として、中国経済のこれ以上の悪化がない限り、今年1年を通じて銅価格は回復すると見込む。

  銅地金の需給が逼迫(ひっぱく)する状況になれば、6000ドル超へのV字回復もあり得るとの期待感も示す。「逃げ出すわけにもいかない。とにかく粘り強く乗り切っていく覚悟だ」。鉱山操業の効率化やIoT(モノのインターネット化)といった新たな手段を活用するなど「難局を乗り切っていく自助努力をさらに強め、資源の安定確保に一層協会を挙げて取り組んでいく」と述べた。

  続いてあいさつに立った経済産業省資源エネルギー庁の日下部聡長官は、新興国での資源需要が増加していることなどを踏まえて「資源確保に相当力を入れるべき時に来ている」と説明。「資源価格は安くなっているが、退場せずにぜひ踏ん張っていただきたい」と呼びかけた。政府としても独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた資金支援などによって「資源獲得の応援は万全に臨みたい」と話した。

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