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中国の元安誘導、介入コスト膨らむ公算-「フリーランチ」ないもよう

  • 3兆4000億ドル規模の外貨準備、人民元下落で圧迫される見通し
  • 秩序立って為替相場を調整することは困難との指摘も

米ヘッジファンドを運用するジム・チャノス氏は2010年、中国が不動産開発を経済成長の頼みの綱としていることを理由に、「地獄へと向かうランニングマシン上をひたすら走っている」と主張した。中国経済はまだ「地獄」からは程遠いかもしれないが、ランニングマシンから滑り落ちないように政策当局者は今年もっと懸命に走る必要がありそうだ。

  投資家が人民元からの資金引き揚げを急ぐ中で、中国人民銀行(中央銀行)が支払う代価は大きくなっている。事情を直接知る関係者によれば、4日の人民元急落に歯止めをかけようと、人民銀は5日に継続的なドル売りを通じた市場介入を実施。ドル売りは複数の国有商業銀行を通じて行われた。

  米カリフォルニア大学サンディエゴ校のビクター・シー(史宗瀚) 教授は「秩序ある元安について人民銀が話す場合でも、フリーランチなどというものはない。コストが伴うことになる」指摘。「人民銀はスポットレートを管理するため外貨準備を食いつぶす必要に迫られるだろう」と述べた。

Going down

  中国は外貨準備高の内訳を公表していない。シー教授は利用可能な外貨準備は発表されている外貨準備高より数千億ドル少ないと分析し、「3兆4000億ドル(約400兆円)という外貨準備高に疑念を抱くべきだ。使える資金が少ないからといって中国の力を弱めはしないが、大半の人々が想定するよりずっと安全でないのは確実だ」と語った。

  大和キャピタル・マーケッツの日本を除くアジア担当チーフエコノミスト、頼志文氏は人民銀が月ごとに最大2%の元安誘導を図る公算が大きいと予想。「残念ながら、秩序立った為替相場調整の実施はやりにくいだろう。人民銀が積極的かつこれまで以上に介入しなければ、元売り圧力は今後数カ月間、強まるばかりだ」と話した。

  頼氏は景気の弱さとデフレの脅威を理由に、人民元が現在の1ドル=6.5元前後から今年末までに7.50元に下落すると見込んでいる。

原題:China Bid for Slow Yuan Drop Is Seen Boosting Intervention Cost(抜粋)

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