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フィッシャー米FRB副議長:バブル予防・封じ込めの措置欠くと懸念

  • 規制監督の権限の不備と法規定による権能の制限を指摘
  • 金融市場が過熱なら、利上げで対応の必要も

米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は3日の講演で、新たな金融危機を防ぐとともに、危機が発生した場合にその影響を封じ込めるために、米金融当局が必要とする幾つかの主要な手段をいずれも持ち合わせていないのではないかとの懸念をにじませた。

  フィッシャー副議長は米経済学会(AEA)の年次総会で、住宅バブルや他の資産バブルを抑制するための規制監督の権限を、米金融当局が他国・地域の一部金融当局ほど十分保持していないと指摘。さらに、危機が発生して金融システムを脅かした場合に米金融当局が介入するための権能を、議会が制限し過ぎたのではないかと問い掛けた。

  フィッシャー副議長はサンフランシスコで開催の同総会で、米金融当局が過度の制約下にあるかどうか「ずっと遅くなるまで分からないだろう」と語った上で、それは「われわれとして大いに心配しなければならない」状況だとコメントした。

  フィッシャー副議長の発言は、米金融当局が金融面の行き過ぎを抑えるために、以前よりも金融政策に依存しなければならなくなる可能性を示唆するものだ。同副議長は実際、資産バブルに対する防御の第一線として規制監督措置を用いるべきだとしつつも、金融市場が過熱した場合、米金融当局が利上げに踏み切る必要があるかもしれないとの考えを示した。

  他国・地域の金融当局に比べて、投機的な行き過ぎを抑制する自由裁量の余地が限られているとする点に関し、フィッシャー副議長は特に前回の金融危機の震源となった不動産市場に言及した。他国・地域の当局の場合、不動産価格の急上昇に見舞われれば、借り入れを抑制するためローン資産価値比率や返済負担率などの要件を強化している。

  フィッシャー副議長は「米国でこれらの措置で問題に対応」するには、連邦準備制度と他の規制監督当局との間で「調整が必要」であり、「重要な局面で活用しにくい事態となりかねない」と話した。

法律が行動制約

  フィッシャー副議長はまた、金融システムの緊急時に「最後の貸し手」として行動するのに当たり、英国でイングランド銀行(中央銀行)の権限が強化されたのとは対照的に、米国では議会が連邦準備制度の権能に新たに制限を設けたことも指摘した。

  米金融当局は2008年、経営破綻の危機に直面したベアー・スターンズとアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済に乗り出したが、10年に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)には、金融当局による個別の金融機関の救済を禁止する内容が盛り込まれた。

  同総会に出席した米ハーバード大学のマーチン・フェルドシュタイン教授は、銀行セクターを除けば米金融当局には過度のリスクテークを抑制するのに必要なマクロプルデンシャル措置がないと発言。その上で、妥当な水準から「既に大幅に外れている」資産価格を抑えるため、一段と急ペースで利上げするよう米金融当局に呼び掛けた。

原題:Fischer Worries Fed Can’t Head Off or Contain Financial Crises(抜粋)

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