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米エネルギー革命で供給されるシェールオイルとLNG、世界市場へ

  • 閉鎖的だった米国のエネルギー市場から輸出がスタート
  • テキサス州からシェールオイル、ルイジアナ州からはLNG出荷へ

石油輸出国機構(OPEC)とアジアのガス輸出国が最も恐れていた事が現実になりつつある。

  米国のシェール企業が同国内の原油生産を45年ぶりの高水準に押し上げ、大量の天然ガスを世界市場に供給しようとしている。シェールオイルを積み込んで昨年の大みそかにテキサス州の港湾を出航したタンカーと、今月中に予定されている液化天然ガス(LNG)輸出が、世界の主要エネルギー生産国による競争新時代の幕開けを告げることになるだろう。

  OPECはライバルを淘汰(とうた)し、市場シェアを確保するために既にフル生産しており、主要加盟国であるサウジアラビアは今、米国の生産会社からの強まる圧力に対処しなければならない状況となっている。米国は世界3位の産油国。また、天然ガス需要の旺盛な日本やスペインなどの天然ガス輸入国にとって、米国はこれまで長期にわたりガス供給で優位に立っていたカタール、マレーシア、オーストラリアの3カ国に代わる調達先となる。

  プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の市場担当シニアアナリスト、フィル・フリン氏は、「同じ月に原油とLNGの両方を輸出することになるなど誰が予想していただろう。水圧破砕(シェール層の掘削法)が世界を変えた」と指摘する。

  油ガス田の広範囲に到達する水平掘削と、水と砂を高圧で注入してシェール層を砕く水圧破砕の技術革新により、シェール企業は米国のエネルギー生産の前例のない急増に最も寄与した。

  輸出開始は、米国内の原油・ガス生産減少で北米のエネルギー供給が枯渇する恐れがあったため、米国がロシアやイラク、サウジなどの資源国に翻弄(ほんろう)されていた20世紀末の状況からの転換を意味する。

  過去十年間にわたる米国内外の掘削会社によるシェール層開発への多額投資が大量の新規供給を促し、エネルギー価格は下落している。このため、多額の負債を抱えた生産会社は人員を削減し、配当を見送っているほか、資産を売却し探査プロジェクトを中止している。

  40年間続いた米国の原油禁輸措置が昨年12月18日に解除されたことを受け、時価総額で米石油3位のコノコフィリップスが輸出第1便となるシェールオイルを供給した。

  シェニエール・エナジーのLNGプロジェクトに融資を提供したINGキャピタルの天然資源担当責任者、リチャード・エニス氏は同月30日の電子メールで、シェニエールがルイジアナ州南西部にあるサビーンパス輸出ターミナルでガスの液化を開始しており、2016年1月中に米国産シェールガスを世界市場に初出荷する「予定」であると述べた。

原題:Shale Hoard Behind U.S. Energy Renaissance Set Loose on Globe(抜粋)

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