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不透明な石油製品価格にメス、内外の決定方式を調査へ-経産省

更新日時
  • 石油元売りの統合進み、「ますます透明な価格体系が求められる」
  • 石油元売りと小売業者の双方が納得できる公正な価格指標が必要

経済産業省は、透明性のある国内石油製品市場の構築に向けて、国内に加えて米国や英国など欧米諸国でも石油製品の価格がどう決まるかを調査する。国内石油業界の再編が大きく進むなか、石油製品の卸売、小売業者を取り巻く不透明な業界慣行を是正したい考えだ。

  経産省資源石油流通課の佐合達矢課長が明らかにした。同氏はブルームバーグの取材に対し、損失補てんを目的に石油元売りが卸売価格を過去にさかのぼって値引きする「事後調整」と呼ばれる業界の慣行により、「販売店からすると今自分が売っている商品の仕入れ原価がその時点で確定していない」と指摘。3月末までに終える調査結果に基づいて、石油元売りと販売店間の価格体系の透明性向上や東京商品取引所の石油製品先物取引の活用策を検討したいという。

  国内の給油所数は石油製品需要の減少を背景に年々減少し、現在は1994年のピークからほぼ半減している。昨年11月の出光興産と昭和シェル石油の経営統合合意に続き、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油も12月、経営統合に向けた基本合意を発表。各社が経営統合するなかで、競争力の低い給油所が統廃合を迫られる可能性がある。

  「統合が進んでいく過程では、流通サイドでも非効率な事業者はより選別されていく可能性がある」と佐合氏は指摘。「石油業界の大きな構造変化が起こる中で、より一層みんなが納得感のある同じ土俵で勝負できるマーケットを作っていくべきだ」と話した。

  経産省は2014年6月の産業競争力強化法に基づく調査の報告書で、石油製品の価格指標の信ぴょう性に対して疑問の声があることを踏まえ、「公正で透明な価格指標の形成を含む適切な価格決定メカニズムを構築すること」を課題の1つとして挙げていた。

石油各社も望む透明性

  石油各社からも透明性のある価格指標を求める声は根強い。JXエネルギーの花谷清常務執行役員は昨年11月の会見で、業者間で石油製品を転売する国内のスポット市場では原油価格の上昇局面でも製品の価格が上昇せず、販売の利ざや(マージン)が縮小方向にしか動かないとし、「マーケットとして本当に正しいのか疑問視している」と述べた。その一方で「自分の身の丈に合った処理能力」にする必要があるとも指摘した。

  経産省の統計によると昨年11月の輸入原油処理量は日量約318万バレル。これに対し国内製油所の処理能力は同392万バレルと、処理量を2割以上上回る設備の余剰がある。同省の見通しでは、国内の石油製品需要は19年度までの5年間で年1.4%減少するとされており、マージンの改善には再編などを通じた製油所能力の余剰削減が不可欠だ。

  大和証券の西川周作アナリストは昨年11月のリポートで、中長期的にマージンを安定させるためには、業界が稼働率などの調整によって「生産数量を抑制できる構造となる必要がある」と見方を示した。その上で、09年度から15年度上期までの間に「顕著な対応は観察されなかった」と指摘。コスモエネルギーホールディングスを含めた大手3社体制になることで過当競争が是正され、生産抑制されることに期待したいとした。

(第7段落に過剰な製油所能力についての情報を追加します.)
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