債券先物は一時最高値更新、世界景気懸念で-長期金利1年ぶり低水準

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  • 先物は前日比変わらずの149円11銭で終了、一時149円19銭まで上昇
  • 10年入札で最低価格は100円40銭と予想を3銭下回る、応札倍率低下

債券市場では先物が一時最高値を更新し、長期金利は1年ぶり低水準を付けた。世界的な景気懸念や地政学的リスクを背景に、前日の米国債相場が上昇した流れを引き継いだ。半面、高値警戒感に加えて、今日実施の10年債入札結果が市場予想を下回ったことが重しとなった。

  5日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比横ばいの149円11銭で開始。その後は買いが優勢となり、一時は149円19銭と2015年12月18日に付けた最高値149円18銭を上回った。午後に入って10年入札結果発表後に5銭安まで下落した後は持ち直し、結局は横ばいの149円11銭で引けた。

  UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、「午前は外部環境の株安を意識して買われた。上海株が下落して寄り付き、リスクオフが意識されていた。もっとも上海株が戻して、リスクオンへのセンチメントに変わったため、若干売りが出た。米国債利回りは前日引値に比べると上昇しており、為替の円高もやや戻している」と説明。ただ「10年債利回りの0.26%はしっかりしたサポートとなっている。ショートカバーの買いや日銀の買い入れオペ狙いの買いが入ったと思う」と語った。

  関係者によると、中国証券監督管理委員会(証監会)は大株主による株式売却の禁止措置が週内に期限を迎えた後も、この措置を続けることを上場企業に伝えるよう証券取引所に口頭で指示した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.26%で始まり、1ベーシスポイント(bp)低い0.25%と昨年1月27日以来の水準まで下げた。午後は0.26%を付けた後、0.25%に戻した。

  新発20年物の155回債利回りは一時0.96%と昨年1月23日以来の水準を付けた。新発30年物の49回債利回りは1.24%と昨年3月以来の水準まで低下した後、1.25%で取引されている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「中東情勢は早期安定の見方をしにくく、米国や中国では景気の不透明感が台頭している。ここ数日はリスクオフ継続の見通し。ドル・円相場が1ドル=120円を下回り、追加緩和観測が再燃する可能性もある」と話した。「金利水準は低くとも、債券には諦め買いが優勢になっている」との見方を示した。

  4日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前営業日比3bp低下の2.24%程度で引けた。イランとサウジアラビアの緊張が高まっていることに加え、米国や中国で発表された製造業統計が低調な内容だったことを受けて株価が大きく下げたことが買い手掛かりとなった。S&P500種株価指数は同1.5%安で引けた。

10年債入札結果

  財務省が今日午後に発表した表面利率0.3%の10年利付国債(341回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円40銭と市場予想の100円43銭を下回った。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低と平均の差)は4銭と前回の2銭から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.25倍と前回の3.56倍から低下した。

  UBS証の井川氏は、10年債入札について、「午前に値上がりしたため、高値つかみをさせられるタイミングとなった。市場予想を下回る結果。投資家の買いもあまり入ってこなかったのではないか」と分析。「昨年2月の時のように大きく崩れる感じではない」と語った。

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