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中東のさらなる不安定化も-サウジとイランの対立、80年代以降で最悪

更新日時
  • シーア派指導者の死刑執行後のサウジ大使館襲撃で外交関係断絶
  • シリア内戦終結に向けた取り組みにマイナスの公算

サウジアラビアがイランを孤立化させるために打ち出した措置は、不安定な中東地域の対立をさらに深める恐れがある。両国の関係は過去約30年間で最も悪化している。

  今回の争いは世界の火薬庫である同地域に横たわる断層をあらためて露呈させ、イスラム教スンニ派のサウジとシーア派のイランによる代理戦争が行われているイエメンとシリアの情勢を悪化させかねない。また、原油価格の急落で中東諸国の財政が厳しい状況にある時期と重なっている。

  米国の元駐サウジ大使、ロバート・ジョーダン氏はブルームバーグとのインタビューで、「今は熱くなっているところであり、緊張のエスカレートに終わりが見えつつあるのか分からない」と語った。

  ドイツやイタリアなどはサウジとイランの両国に対し、緊張をこれ以上高めないよう呼び掛けた。ドイツ政府のザイベルト報道官はベルリンで、「外交のドア」を開けておくべきだと述べ、関係を再開するよう促した。

  4日の取引では中国や日本、欧州の株価が急落し、原油価格は一時上昇。中国経済をめぐる懸念が主な材料だったが、中東情勢の悪化も市場の混乱の一因となった。ロンドン市場で原油先物は一時3%余り上昇し、1バレル=38.50ドルを付けた。

  レバノンの元財務相で現在はコンサルタント会社ブーズのバイスプレジデントを務めるジハド・アズール氏は、「投資の観点からは悪いニュースだ。市場関係者はサウジとイランが緊張緩和のため対話を再開すると踏んでいた。しばらくの間、そのようにならないことは明白だ」と語った。

  サウジは1980年代後半、メッカへの大巡礼(ハッジ)の際にイランからの巡礼者が死亡したことをめぐってサウジ大使館が襲撃された後、イランとの国交を一時的に断絶したことがあり、両国の対立はそれ以降で最悪となっている。

  両国間の緊張は、既に難航しているシリアの内戦終結に向けた取り組みにマイナスとなる可能性が高い。シリアではサウジがスンニ派の武装勢力を支援し、イランはアサド政権を支持している。

原題:Saudi Clash With Iran, Worst Since 1980s, Risks Deeper Conflict(抜粋)

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