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米FRB副議長:金融市場が過熱なら利上げ必要な可能性

更新日時
  • 資産価格が「高過ぎる」なら利上げは適切な手段となり得ると発言
  • バブル阻止するマクロプルデンシャル措置の多くに不備あると示唆

米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は3日、サンフランシスコで講演し、資産バブルの生成を防ぐには規制措置を最初の手段として活用すべきだが、金融市場が過熱しているなら、金融当局による利上げが必要となるかもしれないと述べた。

  フィッシャー副議長は米経済学会(AEA)の年次総会で、「米経済全体で、すなわち全ての金融市場を考慮に入れた場合の資産価格が高過ぎると考えられれば、利上げが適切な手段となる可能性がある」と発言した。

  同副議長の発言は、金融市場の過熱阻止を目的とした、いわゆるマクロプルデンシャル措置の多くに不備があるか、未検証である米国において、この点が特に当てはまる可能性があるという考えを示唆したものだ。マクロプルデンシャル措置には例えば、借り入れ抑制のため融資基準を調整することなどが含まれる。

  フィッシャー副議長は資産バブル生成を防ぐ上で、「短期金利の調整よりもマクロプルデンシャル措置を第一の防御策とすべきだ」と考えていると明言。「潜在的な金融不安定性への対処に金利調整を用いるべきかどうかという問題の本質はマクロ経済的なものだ」と述べた。

  同副議長は講演で、金融市場の現状には言及しなかった。イエレンFRB議長を含めて他の政策当局者は、市場が過熱状態にあるとは判断していないと示唆している。

  フィッシャー副議長はまた、利上げ実施に向け連邦準備制度が考案したマネー・マーケット措置の有効性が先月証明されたと発言。ただ「金利正常化の過程で問題が生じ、われわれは措置の修正を迫られる可能性があるが、それに対応する用意がある」と述べた。

中立金利

  同副議長はさらに、中立金利の低下を理由に今回の利上げプロセスの最終的な金利水準は過去の水準を恐らく下回ると示唆。新興市場国の過剰貯蓄や生産性の伸び鈍化などのために中立金利が低下している可能性があると説明した。中立金利は景気刺激的でも抑制的でもない実質金利の水準を指す。

  フィッシャー副議長は「さまざまなモデルや統計手法によれば、現在の短期の中立金利の水準はゼロに近いもようだ」とし、「さらに、歴史的にみて依然かなり低い長期的な水準へと短期の中立金利が上昇するペースは、緩やかなものにとどまる可能性が高い」と指摘。中立金利が低いと、将来的にFRBが目標金利をゼロへと再び引き下げざるを得なくなる可能性が高まると述べた。

  インフレ目標を現行の2%から引き上げるといった、一部エコノミストの提言などについては消極的な姿勢を示唆。「インフレ率が高まればその変動性も拡大する恐れがある」とした上で、その対価は「相当大きくなり得る」と述べた。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁もAEA総会で同様な見方を示し、インフレ目標の引き上げは「世界中の中銀がインフレ目標を達成できていないという現状を考慮すれば、特に問題が多い」と語った。

  フィッシャー副議長はまた、米国でのマイナス金利採用については短期金融市場の不安定化や証券取引への悪影響などが懸念されると述べた。

原題:Fed’s Fischer Supports Higher Rates If Markets Overheating (2)(抜粋)

(発言内容を追加して更新します.)
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