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ソフトバンク孫氏、ヤフー・ジャパンめぐる1兆円超のジレンマ

更新日時
  • 米ヤフーが成長への具体策を検討、35.5%を保有する2位株主
  • 市場で売却も、孫氏に好ましくない状況-市場関係者

インターネット事業の売却を検討する米ヤフーが、資産価値1兆円超の日本のヤフー(ヤフー・ジャパン)株を手放した場合、ソフトバンクグループの孫正義社長は連結子会社のヤフー・ジャパンをめぐりジレンマに直面しそうだ。

  ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長は、ヤフー・ジャパン株の売却が検討された場合、孫氏には、資金を調達して株式を取得する、アリババ・グループ・ホールディングなど友好的な取得者を見つける、市場で株が売られるのを認める-という3つの選択肢があると述べた。いずれの状況も孫氏にとって「よくない可能性が高い」という。

  ソフトバンクは、ヤフー・ジャパン株式の36.4%を所有し、連結子会社化している。ヤフー・ジャパンの取締役のうち孫氏やニケシュ・アローラ氏、ヤフー・ジャパン社長の宮坂学氏らはソフトバンクの取締役でもある。一方、米ヤフーは35.5%の株式を保有する第2位株主で、7日終値で計算すると保有株式価値は1兆円超に上る。

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  売り上げ減少や市場シェア縮小に直面する中、米ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者 (CEO)らは先週、取締役会を開いた。取締役会をめぐってはアリババ株を本体から切り離すスピンオフ計画の撤回や主力のインターネット事業売却を含む多くの選択肢を検討する見通しだと、事情に詳しい複数の関係者が事前に明らかにしていた。

携帯電話と連携

  ソフトバンクの11月の発表によると、2015年4-9月期のヤフー・ジャパンの営業利益は1509億円で、ソフトバンク全体の22%にあたる。この数年は、国内通信事業に次ぐ稼ぎ頭となっており、ソフトバンクの携帯電話サービスとの連携も強化している。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、ヤフー・ジャパン株が売却された場合、「ソフトバンクとヤフー・ジャパンが買い戻すことになるだろう」と話した。他の株主が保有することになった場合、経営方針などに違いが生じる懸念があり、孫氏は事前に混乱を防ぐ必要があるという。ただ、世界的にポータルサイトの影響力が低下する中、「ヤフー・ジャパンの重要性はソフトバンクにとって低下している」とも指摘した。

  SBIアセットマネジメントの運用本部長、木暮康明氏もソフトバンクとヤフー・ジャパンが取得する可能性が高いとしつつ、「そんなに簡単ではない」と述べた。孫氏は保有資金を他の投資ではなくヤフー・ジャパン株取得に使う理由について、他の取締役に説明しなくてはならないためだ。また友好的なパートナーが取得するためには、パートナーとの事業上のシナジーが必要だという。 

  ヤフー・ジャパン広報担当の羽入正樹氏は7日、自社株の売却が検討された場合の対応について「自社株買いについては常に最良の方法を検討している」と話した。ソフトバンク広報担当の小寺裕恵氏はコメントしなかった。

  ヤフー・ジャパンは1996年、ソフトバンクと米ヤフーの共同出資で設立された。ソフトバンクはかつて米ヤフーの筆頭株主だったが、15年3月末時点での保有割合は0.1%未満となっている。

  ソフトバンク株の8日の終値は前日比0.7%安の6322円。4営業日連続の値下がりとなった。

(最終段落の株価を更新しました.)
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