大手米銀が破綻した場合でも広範な金融システムを損ねる事態を確実に防ぐことを目的とした米連邦準備制度理事会(FRB)の規制案により、大手米銀は1200億ドル(約14兆4500億円)の損失吸収能力の不足に直面する可能性がある。国際金融システムにとって重要な金融機関に義務付ける総損失吸収能力(TLAC)は、新たな金融危機回避に向けた監督当局の取り組みの重要な部分だ。

  FRBが30日に全会一致で承認した規制案によれば、ウェルズ・ファーゴやJPモルガン・チェースなどの銀行は危機に陥った際に株式に転換可能な債務を十分に保有することを義務付けられる見通し。FRBのルールは米銀8行に適用され、2019年までに債務と資本のクッションがリスク加重資産の最低16%、22年までに18%とするよう求められる。

  一部のバンカーは損失吸収能力の水準が20%に設定される可能性があるとみていただけに、18%という数字は金融業界の多くの関係者の予想よりも緩やかな水準だ。30日の会議で同規制案を提示したFRB当局者は、各銀行にとって恐らく管理可能な内容だとしている。FRBのイエレン議長は同規制案について「『大き過ぎてつぶせない』問題に対処する上での新たな重要な一歩だ」との見解を示した。

  事情に詳しい関係者が語ったところでは、主要国・地域の中央銀行や監督当局で構成する金融安定理事会(FSB)は、19年にTLACをまず最低16%に設定して導入し、22年までに18%に引き上げる計画だ。これはおおむねFRBの規制案と合致する。 

  FRBはまた、各行が保有を義務付けられる長期債務の最低水準についても承認した。これは銀行の規模などによって異なるという。FRB当局者は、TLAC適格債として認められる債務のタイプはFSBが昨年提案したものよりも厳しくなると指摘した。

原題:U.S. Banks to Face $120 Billion Shortfall in Fed Crisis Plan (2)(抜粋)

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