欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル続落、インフレ指標低調で景気見通しを懸念

30日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続落。米国のインフレ と個人消費の数字が市場予想に届かなかったことから、景気見通しに陰 りが生じた。

ドルは大半の主要通貨に対して値下がり。米商務省が発表した9月 の個人消費支出(PCE)価格指数は低下し、1月以来で初のマイナス となった。金融当局が注目するこのインフレ指標は2012年4月以降、目 標の2%に達していない。10月の米消費者マインド指数は市場予想を下 回った。

バンク・オブ・ノバスコシアのチーフ為替ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は「ドルは差し引きゼロになったような状況だ」と指 摘。経済指標が「若干ドルの重しになっている」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げに近づく一方、欧州中 央銀行(ECB)は量的緩和の拡大を示唆していることから、ドルは持 ち直す見通しだとオズボーン氏は続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.3%安 の1ユーロ=1.1006ドル。今週は2カ月ぶり高値に上昇する場面もあっ た。この日のドルは対円で前日比0.4%安の1ドル=120円62銭。ブルー ムバーグ・ドル・スポット指数は0.4%下げて1209.83。

スタンダードチャータードの為替ストラテジスト、アイメア・デー リー氏は、月末のポートフォリオリバランスの動きもドルを圧迫してい ると話した。

ドルは月間ベースではユーロと円に対して上昇した。FOMCは28 日には利上げを見送り、次回12月会合で検討すると表明した。一方、ド ルはニュージーランド・ドルやブラジル・レアル、メキシコ・ペソなど 資源輸出国通貨に対しては下落した。

ウェルズ・ファーゴの為替戦略責任者、ニック・ベネンブローク氏 (ニューヨーク在勤)は「短期的に当社ではドルに関しておおむね中立 で、値固めが続く可能性もあるとみている」とリポートで指摘。「しか し長期的には、米国と世界の中央銀行の間で金融政策の違いが顕著にな るため、ドルは大半の通貨に対して上昇しやすくなるだろう」と述べ た。

原題:Dollar Drops for Second Day as Sluggish Inflation Fuels Concern(抜粋)

◎米国株:下落、金融株などに売り-月間は11年以来の大幅高

30日の米国株は下落。企業の四半期決算は予想を下回り、金融株や 生活必需品株が売られた。月間ベースでは2011年以降で最大の上げとな った。

9月から好調なエネルギー株と素材株は、10月最後の営業日も上 昇。エクソンモービルやシェブロンはこの日、決算内容を好感して上げ た。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の2079.36。月間ベースで は8.3%の上昇。ダウ工業株30種平均はこの日92.26ドル(0.5%)安 の17663.54ドル。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「最 近の米金融政策当局の発言が若干タカ派的になっている一方、日本銀行 は追加緩和を見送った」と指摘。「相場は急降下しているわけではない が、最近どの程度上げてきたかも合わせて考えると、相場が下げる理由 はある。最近はかなり大幅に上げていたので、反落は正常であり健全 だ」と続けた。

アナリストの予想ではS&P500種採用企業の第3四半期利益 は3.9%減と、前週の6.1%減予想から改善した。これまで決算を発表し た企業で利益が予想を上回ったのは75%。一方で、売上高が予想を上回 った企業は44%にとどまった。

保険会社ジェンワース・フィナンシャルは10%安と、S&P500種 銘柄の中で最も下げた。同社の利益はアナリスト予想を下回った。 CVSヘルスも安い。業績見通しが嫌気された。リンクトインは11%急 伸。収入見通しが予想を上回った。バイオ医薬品会社のアッヴィは10% 急伸。四半期利益が予想を上回った。ファースト・ソーラーは12%高。 四半期利益がほぼ4倍に拡大したことが好感された。

S&P500種は8月の安値からは11%超値を戻した。特にテクノロ ジー株やエネルギー株が上げをけん引している。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.2%上昇して15.07だった。

先物市場に織り込まれている年末までの利上げ確率は50%に上昇。 先週は30%まで下がっていた。

朝方発表された9月の米個人消費支出(PCE)は前月比で 増加 したが、市場予想を下回る伸びだった。別な統計によると、米労働者の 賃金・給与は7-9月(第3四半期)に伸びが加速した。10月の米消費 者マインド指数は前月から上昇 したものの、市場予想ほど伸びなかっ た。

S&P500種業種別の金融株は過去5営業日のうち4日で下げた。 ジェンワースのトム・マキナニー最高経営責任者(CEO)は短い時間 で合理化するには限られた選択肢しかないと述べ、同銘柄の売り浴びせ を招いた。同社は長期介護医療保険で大幅な損失を出した。

原題:U.S. Stocks Slip, Trimming the Strongest Monthly Gain Since 2011(抜粋)

◎米国債:週間で8月以来の大幅安-利上げ視野にデータ注視

米国債相場は週間ベースで8月以来の大幅な下げとなった。米連邦 公開市場委員会(FOMC)が年内利上げの可能性を示唆したことが背 景。利回りは約1カ月ぶりの水準に上昇した。

金融政策に最も敏感な2年債の利回りは、28日に3月以来の大幅な 上げとなった。FOMCが声明で、次回12月会合で利上げを決定する可 能性があることを示唆したのが手掛かり。29日には経済指標がほぼ市場 の予想通りとなり、利上げの正当性が強まったとの見方から利回りはさ らに上昇した。同じく政策金利が据え置かれた9月のFOMC会合の 後、2年債利回りは大きく低下していた。

ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏 (ニューヨーク在勤)は「FOMC会合を受けて市場は調整され、当社 は利上げ時期の予想を来年3月から今年12月に変更した」と説明。「今 後は本当の意味でデータ次第となる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.72%。今週は8 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇となった。これは8 月28日終了週以降で最大。同年債(表面利率0.625%、2017年9月償還) 価格はこの日99 25/32。

ボラティリティ

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は今週3.21%上昇と、2日終了週以降で最 大の上げとなった。

先物市場に織り込まれている次回FOMC会合での利上げの確率 は50%と、1週間前の36%から上昇。これは利上げ後に実効フェデラル ファンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮定に基づいている。

市場は現在、11月6日に発表される10月の米雇用統計に注目してい る。FOMC声明では、労働市場の状況に関する文言が修正され、雇用 の増加ペースは減速したとされた。10月の非農業部門雇用者数はエコノ ミスト調査では18万1000人増が予想されている。9月は14万2000人増だ った。

ソシエテのラジャパ氏は「雇用者数は過去2カ月にわたって弱い数 字だったことから、10月の統計は注目が高まるだろう」とし、「強い内 容だった場合、利回りが上昇方向に見直される可能性がある」と述べ た。

原題:Treasuries Slide in Worst Week Since August as All Eyes on Data(抜粋)

◎NY金:続落、週間では8月以来の大幅安-年内利上げを警戒

30日のニューヨーク金先物相場は続落。週間ベースでは8月以来の 大幅安となった。米利上げが12月に実施されるとの警戒が強まった。

TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、マイク・ドラ ゴシツ氏(トロント在勤)は電話インタビューで、「米連邦公開市場委 員会(FOMC)の声明が非常にタカ派的だったほか、国内総生産 (GDP)の中身も基本的に良好だった」ことから金は下落したと説 明。「12月にかけて金と銀は下落するというのが当社の見解だ」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.5%安の1オンス=1141.40ドルで終了。一時は1138.40 ドルと、9日以来の安値をつけた。週間では1.8%値下がりし、8月28 日終了週以来の大幅下落。

銀先物はほぼ変わらず。パラジウム先物は上昇。プラチナ先物は下 落した。

原題:Gold Has Biggest Weekly Loss Since August on Renewed Fed Concern(抜粋)

◎NY原油:3日続伸、リグ稼働数が5年ぶりの水準に減少

30日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は3日続伸。米国では原油安を理由に石油会社 が生産への投資を抑えており、石油リグ(掘削装置)の稼働数は5年ぶ りの水準に落ち込んだ。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナ リスト、フィル・フリン氏は電話取材に対し、「リグ稼働数が劇的に減 少したのは数カ月先に原油生産が減少する前兆だ」と指摘。「原油産業 の苦境を浮き彫りにする現象だ。市場の不振に企業がどう対応している かがうかがわれる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日 比53セント(1.15%)高い1バレル=46.59ドルで終了。終値ベースで 今月16日以来の高値。週間では4.5%、月間では3.3%の値上がり。

原題:Crude Advances a Third Day as U.S. Drillers Idle More Oil Rigs(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、月間で6年ぶりの上昇率

30日の欧州株式相場はほぼ変わらず。月間では6年ぶりの上昇率を 記録した。

個別銘柄では、航空グループのIAGが2.5%安。通期見通しがア ナリスト予想に届かなかった。フランスの化粧品メーカー、ロレアルは 7-9月期売上高が見通しを下回り4.6%安。この影響で、ストックス 欧州600指数の業種別では一般消費財が最大の下げを記録した。スペイ ン2位の銀行バンコ・ビルバオ・ビス カヤ・アルヘンタリア (BBVA)は赤字決算が嫌気され、3.5%安。一方、フランスの銀行 BNPパリバと航空機メーカーのエアバスは7-9月期利益が市場予想 を上回り、それぞれ上昇した。

このほか英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ (RBS)は7-9月期利益が予想に届かず1%安。売上高が市場予想 を上回ったフランスの自動車メーカー、ルノーは5.3%高で取引を終え た。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%未満安い375.47で終了。欧州 中央銀行(ECB)のドラギ総裁が12月の追加緩和を検討するとの発言 をきっかけに、月間では8%高と堅調だった。業種別ではそれまで売り 込まれた自動車や鉱業、エネルギー開発企業の上げが目立った。

原題:European Stocks Drop, Trimming Biggest Monthly Gain Since 2009(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、月間ベースで上昇-追加支援策への期待根強い

30日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。月間ベースでは2カ月連 続の上げとなった。年内の米利上げ観測が高まったものの、欧州中央銀 行(ECB)が国債購入を拡大するとの期待を手掛かりとした上昇基調 は続いた。

ドイツ10年債に対する米10年債の利回り上乗せ幅(スプレッド)は 5月以降の最大に近い。9月のドイツ小売売上高指数が前月比横ばいと なったことが背景にある。インフレが抑制されるとの見通しを反映し、 ドイツ長期債の今週のパフォーマンスは短期債を上回った。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を受け「前 日は激しい値下がりとなった」と発言。「欧米間のスプレッド拡大を見 込んでいる。総じてECBは超緩和的な姿勢を維持するだろう」と続け た。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.52%。9月末時点 は0.59%だった。同国債(表面利率1%、2025年8月償還)価格 は0.125上げ104.59。

米10年債とのスプレッドは164bp。今週はじめには5月以降の最 大に達していた。

ポルトガル国債は続落。10年債利回りは4bp上昇し2.54%。これ は約1カ月ぶりの高水準。カバコシルバ大統領がコエリョ首相率いる新 内閣を承認した。10月4日の総選挙以来、同国では政治混乱が続いてい た。

原題:German Bond Gains Show Fed’s No Game Changer With ECB Buying(抜粋)

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