アフリカの産金ブーム、内戦などのリスクいとわぬ鉱山会社が主導

  • アフリカの金生産、新規鉱山開発とコスト削減で他地域上回る伸び
  • マリではランドゴールドの金生産に伴う税収が主要な収入源

反政府武装勢力が2012年にマリ政府から政権を掌握した際、クーデターを率いたアマドゥ・コナレ氏は全ての人々に対し国境を封鎖したが、ランドゴールド・リソーシズの従業員だけは例外だった。

  その理由は非常に明確だ。ランドゴールドが運営する2つの金鉱山は年間約70万オンス、約12億ドル(約1450億円)相当の金を産出していた。同社からの税収はマリ経済の最大の収入源だった。資金の流入を持続させることを目指し、労働者らが採掘した金を国外へ運び出して世界市場で売却できるよう新政府は迅速に許可証を発行した。

  ランドゴールドのマーク・ブリストー最高経営責任者(CEO)は「税金を支払っているということは賃借料を支払っているということであり、賃借料を支払っていれば家主に追い出されることはない」と語った。マリ政府が全公務員の年間給与を賄うのに十分な額を同社は支払っていると説明した。

  ニジェールでのクーデターやコートジボワールでの内戦、エジプトからモロッコまで広がった反政府運動「アラブの春」などによってリスクが高まっているにもかかわらず、アフリカは産金業界で最も成長を遂げている地域だ。トムソン・ロイター傘下の調査会社GFMSによると、約1世紀にわたって世界首位の産金国だったものの埋蔵量が減少している南アフリカ共和国を除き、アフリカ大陸の産金量は08年から68%増えており、他地域を上回る伸びとなっている。金価格が下落する中、ランドゴールドのパフォーマンスは他の産金会社を上回っており、一部の投資家は恩恵を受けている。

  金生産は、過去5年間に政権が交代したブルキナファソやコートジボワール、エジプトなどの国々で新規鉱山が操業を開始したことから増加した。多くのプロジェクトで埋蔵量が豊富な金鉱床が採掘され、老朽化した鉱山よりも採掘コストの安い新技術が採用されている。金価格が5年ぶりの安値に下落しているにもかかわらず、コスト削減により新規鉱山は引き続き収益性を維持している。

  フランクリン・テンプルトン・カンパニーズで「金・貴金属ファンド」など14億ドル相当を運用するスティーブン・ランド氏は、アフリカ地域への投資に関連する「追加的なコストとリスクを補うためには、アフリカの鉱山は他地域より地質的に良好である必要がある」と指摘。「アフリカには幸運にも、世界最良の鉱床の一部がある」と述べた。一部の世界の大手産金会社は、米国やカナダ、オーストラリアなどのより安全な場所に重点を置き、アフリカを避けている。

原題:Risk-Taking Miners Work Through Civil Wars for Africa Gold Boom(抜粋)

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