欧州マーケットサマリー:株4日ぶり上昇、スペイン債反落
欧州の為替・株式・債券・商品相場は次の 通り。(表はロンドン午後6時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.1396 1.1474 ドル/円 118.46 118.83 ユーロ/円 135.00 136.35 株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 360.99 +5.18 +1.5% 英FT100 6,338.67 +69.06 +1.1% 独DAX 10,064.80 +148.95 +1.5% 仏CAC40 4,675.29 +66.26 +1.4% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .26% .00 独国債10年物 .55% +.01 英国債10年物 1.77% +.01 商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,184.25 +10.35 +.87% 原油 北海ブレント 49.60 -.09 -.18%
◎欧州株:4日ぶり上昇、決算に注目-米利上げ先送りとの観測広がる
15日の欧州株式相場は4営業日ぶりに上昇。一部の企業決算が予想 を上回る内容だったことが買い材料となったほか、経済統計の弱さを受 けて米金融当局が利上げ時期をさらに先送りするとの観測が広がった。
指標のストックス欧州600指数は前日比1.5%高の360.99で取引を終 了。中国の物価統計が失望を誘い、前日は下げた。中国経済をめぐる懸 念や、米金利の先行き不透明感、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス 不正などが重しとなり、ストックス600指数は4月に付けた高値か ら13%下落している。こうした状況を受け、ブルームバーグが調査の対 象としている株式ストラテジストの少なくとも3分の2は同指数の年末 時点の予想を395とし、7月に示した422から引き下げた。
セブン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)で約140億 ドルの資産運用に携わるベン・クマール氏は、「悪材料については緩和 的な政策を長引かせることで対応できるとの自信を市場参加者は深めて いると思う」と発言。「決算発表では比較的良い内容のものも幾分あっ た。悪いものもあったが、大丈夫だ」と語った。
個別銘柄では、英蘭系ユニリーバがロンドン市場で3.6%上昇。第 3四半期の売り上げの伸びが予想を上回った。ドイツのメディア企業プ ロジーベンザット1メディアは3.3%値上がり。全ての事業が拡大して いるとして、2018年の売上高と利益の見通しを上方修正した。英ヘッジ ファンド会社マン・グループは5.2%の大幅高。第3四半期に顧客資産 が14億ドルの純流入となった。
一方、独自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)の優先株 は3.6%下落。独当局は排ガス試験不正を認めたVWに対し、国内でデ ィーゼル車約240万台を対象とするリコール(無料の回収・修理)を命 じた。
原題:European Stocks Rise Amid Earnings, Fed Rate Delay Speculation(抜粋)
◎欧州債:スペイン債反落、株上昇で-国債発行計画縮小で入札は好調
15日の欧州債市場ではスペイン国債が4日ぶりに下落。米当局が年 内の利上げを見送るとの観測が広がる中、株式相場が上昇したことが背 景にある。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメイレン氏は「債券相場の日々の変動はリスクセンチメントと米金 利見通しの変化に大きく左右される」と発言。「今朝は株式相場のセン チメントが良かった」とし、これが国債の続伸を妨げたと語った。
ロンドン時間午後4時14分現在、スペイン10年債利回りは前日比1 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.81%。前日までの 3営業日で4bp下げていた。同国債(表面利率2.15%、2025年10月償 還)価格はこの日、0.12下げ103.12。
欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは2bp上昇し0.56%。 同年限のフランス国債利回りも2bp上げ0.93%となった。
一方、スペインがこの日実施した 10年債入札での落札利回りは4 月以来の低水準となった。デギンドス経済・競争力相は今年の国債発行 規模が480億ユーロ相当と、これまで目標としていた510億ユーロから縮 小されると明らかにした。所得税率引き下げにもかかわらず、歳入が増 えたためだという。
スペインは10年債を16億ユーロ発行。平均落札利回りは1.767%だ った。1日の前回入札時の1.837%を下回り、4月16日に行われた入札 以来の低水準となった。
原題:Spain’s 10-Year Borrowing Costs Fall as Nation Cuts Debt Sales(抜粋)