落ちてくるナイフをつかみたい人はいない。 1兆3000億ドル(約155兆円)規模の米ジャンク債市場では、これが大 きな問題になっている。投資家は売ろうとするが、買いたい人はほとん どいない。

その結果、多くの債券価格が正真正銘の暴落となっている。投資適 格級の債券でさえも、突然問題ありと受け止められれば、買い手探しは 困難になる恐れがある。

代表例はスイスの資源商社グレンコアだ。28日に急落した同社株は 翌日反発したとはいえ、2022年償還の社債は29日午前のニューヨーク市 場で額面1ドル当たり一時3.9セント下落し、67.1セントを付けた。

一方で、指標金利よりも利回り上乗せ幅が10ポイント以上あるディ ストレスト債は6月末以来22.2%下落し、四半期ベースでは08年以来最 大の値下がり。28日だけでもマレー・エナジー債は7.4%、アバイア・ ホールディングス債は6.3%それぞれ下落したことが、バンク・オブ・ アメリカ(BOA)メリルリンチの指数に示されている。

このような急落は通常なら、底入れが近く相場反転は必然的である ことを示すものだが、明確に下げ止まる様子は見えない。2006年以来と なる米利上げが迫る中で、クレジット市場の弱さは一部投資家の懸念を 裏付けている。

大手債券投資運用者の手元には多額の資金があるものの、相場が安 定する兆候が見えるまでは投資に回す明確な動機はない。

ナイフはついに床に落ちたが、このナイフはさらに落下しそう様相 を呈している。

原題:The Vanishing Junk Bond Buyer: Lisa Abramowicz (抜粋)

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